心理学研究者の倫理観 : 心理学研究者と学部生の意見分布,心理学研究者間の差異
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概要
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心理学における研究者倫理への関心が高まる中,日本パーソナリティ心理学会では研究倫理ガイドライン検討特別小委員会を設け,性格心理学研究者倫理の問題を検討した.その中で,目本パーソナリティ心理学会員および他の関連諸学会員の合計262名と心理学専攻の学部生59名を対象に研究倫理観に関するアンケート調査を行った.研究倫理観は基本的に相対的なものであるという認識にもとづき,心理学研究者と学部学生を対象に52項目の倫理的問題に関する許容度判断を求め,その意見分布を示した.全体のうち半数近くの項目で研究者と学生の間に許容度判断の有意差が見られ,いずれも研究者のほうが寛容という傾向であった.また,主たる専門や研究法による倫理判断の相違,性差,研究年数による相違,ならびに基本的倫理観と個別の倫理判断の関連性分析,52の倫理問題に関する許容度判断の主成分分析と主成分ごとの許容度判断などについて検討した.基本的には,各人が研究を行う上で必要な事柄に関しては倫理的判断が寛容になり,研究を行う上で必要性が低い事柄については厳格になる傾向が見られた.本研究の結果は,日本パーソナリティ心理学会員をふくむ心理学者一般について,個別の倫理判断をする上でのひとつの判断基準を提供するものと考える.
- 日本パーソナリティ心理学会の論文
- 2004-03-24
著者
-
木島 伸彦
慶應義塾大学
-
安藤 寿康
慶應義塾大学文学部
-
杉森 伸吉
東京学芸大学教育学部
-
安藤 寿康
慶応義塾大学文学部
-
木島 伸彦
慶應義塾大学商学部
-
安藤 典明
フリーエディター
-
青柳 肇
早稲田大学人間科学部
-
黒沢 香
千葉大学文学部
-
松岡 陽子
川村学園女子大学文学部
-
小堀 修
東京大学大学院総合文化研究科
-
安藤 寿康
慶応大学
-
青柳 肇
早稲田大学人間科学学術院
-
青柳 肇
早稲田大学
-
杉森 伸吉
東京学芸大学
-
杉森 伸吉
東京学芸大学教育心理学講座
-
杉森 伸吉
東京学芸大学:cret
-
松岡 陽子
川村学園女子大学
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