クロージングアーチワイヤー装着時にブラケットに生じる力系の解析
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概要
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矯正臨床で多く用いられるエッジワイズ装置による治療において, 空隙の閉鎖に利用されるクロージングループによりブラケットに発生する力系について解析を行った.3種類のループモデルを用い, ブラケット間距離とゲーブルベンドの大きさを変数として, ループ脚部が開いた状態と閉じた状態それぞれのブラケットに発生する力系を算出した.力系の解析には, 接線剛性法プログラムを用いた.その結果, 以下の結論が得られた.1. ブラケットに発生する力とモーメントは, ループが開いているか否かに関わらず, ゲーブルベンドの増加に伴って直線的に増加した.2. ループを1 mm開いて活性化した場合, すべてのループ形態で, ゲーブルベンド0°における力系を基準とすると, 牽引力はゲーブルベンドが15°, モーメントと垂直力はゲーブルベンドが10°で約2倍となった.3. ループが開いていない状態でも, ゲーブルベンドを組み込むと, ブラケットに発生する牽引力はループ脚部の接触形態によって, ゼロになる場合とならない場合が存在した.しかしながら, 垂直力とモーメントはループ脚部の接触形態の影響が少なかった.4. ブラケット間の近心部に配置したループにゲーブルベンドを組み込んでも, ループが開いているか否かに関わらず, 遠心の歯の近心傾斜傾向に抵抗するだけのモーメントは生じなかった.
著者
-
帯屋 洋之
佐賀大学理工学部都市工学科
-
古賀 義之
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
-
吉田 教明
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
-
中島 美紀
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
-
三牧 尚史
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
-
富樫 久美子
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
-
小林 和英
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
-
吉田 教明
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻展開医療学講座 歯科矯正学分野
-
吉田 教明
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
-
中島 美紀
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻展開医療科学講座歯科矯正学分野
-
古賀 義之
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻展開医療学講座 歯科矯正学分野
-
小林 和英
長崎大学歯学部
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