長崎大学歯学部附属病院矯正科を受診した矯正患者の 15 年間の変遷 : 一般矯正患者についての調査
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概要
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近年の患者の動向を把握するため, 1984年4月から1999年3月までの15年間に長崎大学歯学部附属病院矯正科で治療を開始した矯正患者3, 339名(口唇口蓋裂患者を除く)を対象に, 来院傾向, 来院動機, 不正咬合の種類等の実態調査を行い, 以下の結果を得た.1. 1989年まで患者数は増加していたが, その後は減少していた.性別では男子 : 女子が1 : 1.7と女子の方が多く, その割合は経年的に大きな変化はみられなかった.2. 初診時年齢は経年的に高くなる傾向にあり, 特に女子では19歳以上が占める割合の増加が著明であった.3. 来院動機は審美障害が全期間を通して多かった.来院経路では, 院内他科や医病からの紹介が増加していた.4. 居住地域は96.7%が県内に分布し, そのうち52.1%が当科の位置する長崎市内に分布していた.男女とも市内からの来院が最も多く次に西彼杵郡が多かった.経年的には西彼杵郡は減少していた.5. 不正咬合の種類別頻度は叢生が占める割合がもっとも多かった.6. 顎関節症状を有する患者は経年的に増加傾向にあった.7. 外科的矯正治療患者は1993年から増加傾向にあり, 男子で著明であった.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
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田中 隆一
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
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小林 和英
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
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中川 麻紀
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
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小村 弘斉
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
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阿部 理砂子
山田歯科医院
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仏坂 斉祉
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
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小林 和英
長崎大学歯学部
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