高圧用感圧フィルムを用いた咬合接触面積の評価法について
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概要
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咬頭嵌合位での最大噛みしめの状態で, 正常咬合を有する成人5名に高圧用感圧フィルム(50HRタイプ)を噛ませ, 繰り返し15回測定を行った.咬合接触面積の解析は下限圧力値を5, 10, 15, 20, 25, 30 MPaとする各圧力範囲(以下, P5, P10, P15, P20, P25, P30)について行った.さらに, 同被験者にブラックシリコーンを咬頭嵌合位で噛ませ, シリコーン・ブラック法に従って30, 20, 10μmの各厚みでの咬合接触面積(以下, S30, S20, S10)を測定し, 感圧フィルムの咬合接触面積で良好な再現性や信頼性を得るための評価法について検討した.1. 全被験者の分散は圧力範囲が高くなるに従い減少する傾向を示した.圧力範囲間の分散の差では, P5およびP10はP20, P25, P30との間にそれぞれ危険率5%で有意差を認め, P15∿30の圧力範囲間には危険率5%で有意差を認めなかった.2. S10に対するP5∿20の咬合接触面積の比率で100%以上の大きな値を示したが, S10に対してP25およびP30で112.7%, 98.6%と100%に近似した値を示し, S10の咬合接触面積はP25, P30と有意差を認めなかった.3. S30とP5, S20とP10の場合には危険率5%で有意な相関関係を認めなく, S10での咬合接触面積とP25での咬合接触面積は危険率5%で有意な相関関係を認めた.以上より, 感圧フィルム(50HRタイプ)での25MPa以上の咬合接触面積は再現性や信頼性が良好であり, シリコーン・ブラック法による10μmの厚み以下での咬合接触面積に近似していた.
- 日本矯正歯科学会の論文
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