トランスパラタルアーチの活性化が大臼歯に与える力系について 第2報 : 頬舌方向への力とモーメント
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概要
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本研究では,トランスパラタルアーチ(以下,TPA)を用いて大臼歯の頬舌的なコントロールを行う際に生じる力系を明らかにし,TPAの有効な活性化方法を検討するため,三次元モデルを作製し構造解析を行った.その結果,活性化方法によって,大臼歯に生じる力系がまったく異なることが明らかになった.口蓋中央ループの調整による拡大・縮小を行うと,M/F比は10となり,大臼歯が歯体移動するような力系が発生した.パラタルブリッジの調整による拡大・縮小を行うと,M/F比は2.3となり,大臼歯が傾斜移動するような力系が発生した.この際発生した側方力は,口蓋中央ループの調整による拡大・縮小を行った場合の1/4程度と小さかった.対称トルクを付与すると,モーメントだけでなく側方力が発生した.リンガルクラウントルクを付与した場合は,モーメントとともに拡大力が発生した.ブッカルクラウントルクを付与した場合は,モーメントとともに縮小力が発生した.片側トルクを付与すると,発生した側方力の大きさは,対称トルクを付与した場合の1/2程度だった.モーメントはトルク非付与側にも発生したがその大きさは小さく,トルク付与側の1/5程度だった.平行トルクを付与した場合,側方力は相殺されるため小さな値となった.TPAを活性化して大臼歯の頬舌的コントロールを行う場合,拡大方法やトルクの組み込み方によって異なる力系が発生するため,これらの活性化方法を組み合わせることで自由度の高い大臼歯のコントロールが可能になると考えられた.
- 2010-10-25
著者
-
原 宏子
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻展開医療科学講座歯科矯正学分野
-
帯屋 洋之
佐賀大学理工学部都市工学科
-
古賀 義之
長崎大学歯学部歯科矯正学講座
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吉田 教明
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻展開医療学講座 歯科矯正学分野
-
吉田 教明
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
-
中島 美紀
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻展開医療科学講座歯科矯正学分野
-
古賀 義之
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻展開医療学講座 歯科矯正学分野
-
富永 淳也
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻展開医療科学講座歯科矯正学分野
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