ボツリヌス菌毒素に対するモノクローナル抗体を用いるELISAの評価
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概要
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ボツリヌス菌E型毒素に対するモノクローナル抗体(E13)を用いて, 種々の様式のELISAの評価を試みた。E13はボツリヌス毒素を, ポリクローナル抗体と同程度に中和した。ポリスチレンプレートのウエル表面に, 抗原を直接吸着させる様式のELISAでは, E13は毒素とは全く反応せず, トキソイドとのみ反応した。ペルオキシダーゼ識式E13と毒素とを予めインキュベート後, プレートのウエル表面に吸着させたトキソイドと反応させた結果, 標識E13のトキソイドへの結合量は減少した。^<125>I-標識毒素を用いるRIAにより, E13は溶液中で毒素と結合することを直接証明できた。ウサギ抗毒素をウエル表面に吸着させ, 次に抗原を加えて固定化した上にE13を反応させると, E13は固相に吸着した毒素とも反応した。以上の成績は, ボツリヌス毒素は一定の規則に従ってポリスチレン材表面に吸着し, 吸着する際, 一部の抗原決定基が隠れることを示している。これを避けるには, 抗体を予め吸着させてから抗原を固定化する, いわゆるsandwich ELISAが有効であることが明らかとなった。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1986-10-15
著者
-
鎌田 洋一
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻
-
永井 隆文
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生
-
小崎 俊司
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生
-
小笠原 準
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生
-
阪口 玄二
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生
-
小笠原 準
大阪市立環境科学研究所
-
鎌田 洋一
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科獣医公衆衛生学研究室
-
小崎 俊司
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
小崎 俊司
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 獣医感染症学教室
-
阪口 玄二
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
阪口 玄二
大阪府立大学
-
阪口 玄二
大阪府立大学農学部公衆衛生学教室
-
小崎 俊司
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科
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