大阪府で分離されたO157,O26,O111以外の血清型志賀毒素産生性大腸菌の生化学的および分子学的特徴(細菌学)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2006年までに大阪府では血清型がO157,O26,O111以外(minor serogroup)の志賀毒素産生性大腸菌(STEC)が37株分離された.そのO: H血清型はO28: H20,O63: H6,O91: H14,O103: H2,O103: H11,O119: H4,O121: H19,O126: H8,OUT: H2,OUT: H14,OUT: H25,O65: NM,O119: [H25],O165: [HUT],O177: [HUT],OUT: [HUT]の16タイプで,4つの志賀毒素型(1,2,2c,2f)が見られた.また,31株(83.8%)はintimin遺伝子陽性でα,β,ε,ζに型別された.O165: [HUT](5株),O177: [HUT],OUT: [HUT]は,リジンデカルボキシラーゼおよびブドウ糖からのガス産生が陰性で,これらを含む11株は,CT-SMACに発育できなかった.O165: [HUT],O177: [HUT],OUT: [HUT]はHUS患者からも分離されており,minor serogroup STECを含めたSTEC検出には,選択剤を加えない培地を併用し,非典型的な性状の大腸菌でも志賀毒素産生性を確認する必要がある.複数の事例から分離された血清型についてはPFGEを実施し,minor serogroup STECの疫学指標として有用であることが示された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2007-12-25
著者
-
勢戸 和子
大阪府立公衆衛生研究所
-
小林 一寛
大阪府立公衆衛生研究所感染症部
-
田口 真澄
大阪府立公衆衛生研究所
-
田口 真澄
大阪府公衆衛生研究所
-
小崎 俊司
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生
-
小崎 俊司
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 獣医感染症学教室
-
小崎 俊司
大阪府立大学大学院生命環境科学科獣医学専攻
-
田口 真澄
大阪府公衆衛生研
-
小林 一寛
大阪府立公衆衛生研究所公衆衛生部微生物課
-
小崎 俊司
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科
-
小林 一寛
大阪府立公衆衛生研究所
関連論文
- 下痢原性大腸菌
- 食品からの改良サルモネラ検出法の検討と鶏挽肉および未殺菌液卵でのその評価
- 海外旅行者下痢症の細菌学的研究 (6) 1994〜1996年の関西空港における下痢原因菌検索成績
- 海外旅行者下痢症の細菌学的研究 : (5) 1992〜1994年の大阪空港における下痢原因菌検索成績
- ボツリヌス菌毒素に対するモノクローナル抗体を用いるELISAの評価
- クロマフィン細胞の開口放出素過程とSNAP-25/VAMP-2複合体
- 開口放出のプライミング過程におけるSNAP-25の変化
- 海外旅行者下痢症患者から検出された新血清型赤痢菌およびその症例について
- 海外旅行者から発見された赤痢患者および検出赤痢菌についての解析 -1979年〜1995年の成績-
- 食品の細菌学的試験法の現状と問題点 : 日本食品微生物学会 食品の細菌検査法問題検討委員会報告
- ボツリヌスADP : リボース転移酵素,C3酵素に対する中和モノクローナル抗体の性状分析(細菌学)
- 下痢原性大腸菌における付着因子保有状況とそれに基づく大腸菌検査法の一考察
- 大阪府で分離されたO157,O26,O111以外の血清型志賀毒素産生性大腸菌の生化学的および分子学的特徴(細菌学)
- イムノクロマト法を用いたベロ毒素の迅速検出法の評価
- 牛挽肉, ポテトサラダおよび野菜のドレッシング和えからの腸管出血性大腸菌O157の検出における培養法, 免疫磁気ビーズ, イムノクロマト系簡昜キットの有用性の検討
- 食品微生物検査における遺伝子診断
- 食品中の食中毒菌検査法 : 下痢原性大腸菌
- そのほかの下痢原性大腸菌
- 志賀毒素産生性大腸菌0157による家族内感染事例の疫学マーカー解析
- 海外渡航者から分離された非典型的 Shigella sonnei
- 腸管出血性大腸菌O26の生化学的性状及びその選択分離培地に関する検討
- イムノクロマト(EIA)法による志賀毒素(STx)の迅速, 簡便検出法
- 感染性腸炎の遺伝子診断
- 新血清型の Shigella dysenteriae と考えられる輸入下痢症例由来株について
- 変貌する食中毒原因菌 : 防疫の現場から
- 下痢患者におけるベロ毒素産生性大腸菌の血清学的診断法について
- 増菌培養からキレックス樹脂を用いたPCR法によるサルモネラ直接検出法
- 遺伝子増幅法(PCR)による志賀赤痢菌様毒素遺伝子の検出とその型別法(短報)
- 新しい食中毒菌による食中毒 (食中毒を考える)
- 大阪府で分離された志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O165の細菌学的特徴
- Clostridium septicum α毒素の溶血活性と赤血球膜への結合(細菌学)
- ボツリヌス菌の分類学上の不備と毒素遺伝子の多様性
- 鳥類ボツリヌス症に対するボツリヌスC/Dモザイクトキソイドの防御効果(細菌学)
- ボツリヌス菌B型神経毒素のラット脳シナプトソームへの浸入
- ボツリヌス神経毒素の受容体に関する研究
- ボツリヌス神経毒素の構造と作用発現機構
- 166 市販食肉のサルモネラ汚染について (公衆衛生学分科会)(第70回日本獣医学会)
- 試作非加熱ハム中でのA型およびB型ボツリヌス菌の毒素産生
- 逆受身ラテックス凝集反応によるボツリヌス菌毒素の検出
- 細菌性食中毒講座(4)Gram陰性菌 桿菌:腸内細菌科(6)Escherichia coli
- Polymerase chain reaction(PCR)法を用いた細菌汚染確認法
- コレラ毒素遺伝子とその調節遺伝子による毒性Vibrio鑑別
- 腸管出血性大腸菌検査におけるO157イムノクロマト法の評価
- 大阪府における輸入腸管感染症に関する調査報告--平成11年
- 大阪府における輸入腸管感染症に関する調査報告(平成10年)
- 大阪府における輸入腸管感染症に関する調査報告-平成9年-
- 大阪府における輸入腸管感染症に関する調査報告-平成8年-
- コレラ毒素遺伝子のクロ-ニングと遺伝子検出法の開発
- 溶血性尿毒症症候群51例の臨床的検討 : (Vero毒素産生性大腸菌との関連について)
- 腸管出血性大腸菌
- 溶血性尿毒症症候群の病因と予防
- 遺伝子増幅法によるコレラ毒素遺伝子の迅速診断法
- Escherichia coli O157:H7による出血性大腸炎の"さかのぼり"調査
- Aeromonasの腸管毒性について〔英文〕
- Vibrio fluvialisによると思われる急性胃腸炎例とその下痢起病性について
- プラスミドプロファイルによるSalmonella enterica subsp.enterica serovar Enteritidisの型別の試み
- 散発下痢症における細菌学的研究(1985〜1987)
- 動物由来感染症の最近の話題について
- 遺伝子診断による食品微生物検査の現状と展望 (特集 微生物検査の迅速・簡易化)
- 食中毒菌の新しい検査法--遺伝学的手法 (特集 食中毒の検査)
- チーズにおける腸管出血性大腸菌の増菌培養法の比較
- 腸管出血性大腸菌O 111のL-ソルボース非分解性を指標とした分離培地に関する検討
- Escherichia coli
- 遺伝子増幅法(PCR)による志賀赤痢菌様毒素遺伝子の検出とその型別法
- 腸管出血性大腸菌の確定診断と迅速診断法 (特集 小児の感染症診断Update : 迅速診断法を中心に) -- (消化管感染症)
- 大腸菌群および大腸菌検査におけるフルオロカルト・ラウリル硫酸X-GALブイヨンの評価
- 大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻博士課程について