17β-estradiol, bisphenol Aおよびtributyltin chlorideが線虫(Caenorhabditis elegans)の生殖細胞数に与える影響(毒性学)
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概要
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脊椎動物において,生殖器官に対する影響が報告されている17β-estradiol(E2),bisphenol A(BPA)およびtributyltin chloride(TBTCL)の影響をC.elegansの生殖細胞数を指標として評価可能であるか検討した.定法に従い単離した卵をE2,BPA,TBTCLまたは溶媒のみを含む培地で16℃,6日間培養した.C.elegansの生殖細胞数は,DNAと特異的に結合する蛍光色素,4'6-diamino-2-phenylindole dihydrochloride(DAPI)と蛍光顕微鏡を用いて計測した.E2(10^<-10>-10^<-6>M)および脊椎動物においてE2棟の作用を示すBPA(10^<-9>-10^<-5>M)では,生殖細胞数はいずれも有意に増加した.一方,脊椎動物においてE2様の作用を示さないTBTCL(10^<-9>-10^<-6>M)では,有意に減少した.E2およびBPAは,それぞれ10^<-8>Mおよび10^<-5>Mで生殖細胞数増加の最高値を示し,溶媒コントロール群と比較してそれぞれ156±15.3(平均値±標準偏差)%および168±20.0%であった.TBTCLは,10^<-6>Mで最低値を示し,30.2±3.51%であった.本研究により,化学物質が生殖細胞に与える影響を調べる新規実験動物としてC.elegansが有用であることが示された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2003-08-25
著者
-
鎌田 洋一
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻
-
星 英之
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻
-
植村 興
大阪府立大学大学院・農学生命科学研究科獣医公衆衛生学講座
-
植村 興
大阪府立大学
-
星 英之
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻獣医公衆衛生学研究室
-
星 英之
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻獣医公衆衛生学教室
-
鎌田 洋一
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻獣医公衆衛生学研究室
-
植村 興
大阪府大 大学院農学生命科学研究科
-
Hoshi Hidenobu
Department Of Veterinary Public Health Division Of Veterinary Sciences Graduate School Of Agricultur
-
鎌田 洋一
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻獣医公衆衛生学教室
-
植村 興
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科獣医公衆衛生学研究室
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