ウエルシュ菌エンテロトキシンの Vero細胞による生物学的定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
4〜7日間培養の Vero細胞とウエルシュ菌エンテロトキシンを 37℃で60分間作用させた後ニグロシンで染色したところ, Vero細胞の染色率と25〜400 ng/mlのエンテロトキシンの対数値との間に, 直線に近い関係が得られた。培養上清を被検液とした場合, 供試菌8株中3株は培養上清中にエンテロトキシン以外に Vero細胞のニグロシン染色率を高める因子を産生し, しかもこの因子の作用は抗エンテロトキシン血清で中和されなかった。培養上清を緩衝液で1:10以下に希釈すると, この因子の影響は除かれた。以上の結果, (1) Vero細胞を用いて25 ng/ml以上の濃度の高純度のエンテロトキシンの生物活性が簡易に短時間に高精度で定量できる, (2) ウエルシュ菌の培養上清原液を被検液とすることは不適当である, (3) 培養上清を希釈して被検液とする場合は, 陽性反応が抗エンテロトキシン血清で中和されることの確認が必須である, ことが明らかになった。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1984-10-15
著者
-
植村 興
大阪府立大学大学院・農学生命科学研究科獣医公衆衛生学講座
-
阪口 玄二
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生
-
植村 興
大阪府立大学
-
植村 興
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
阪口 玄二
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
阪口 玄二
大阪府立大学
-
前川 健郎
大阪府立大学農学部獣医公衆衛生学教室
関連論文
- 障害者が「介助犬」と生活することに関する地域住民の意識調査
- ウエルシュ菌エンテロトキシンのMitogenic活性
- ボツリヌス菌毒素に対するモノクローナル抗体を用いるELISAの評価
- 腸管出血性大腸菌O157:H7の犬腸管内における挙動
- 17β-estradiol, bisphenol Aおよびtributyltin chlorideが線虫(Caenorhabditis elegans)の生殖細胞数に与える影響(毒性学)
- モノクロナール抗体を利用したサンドイッチ酵素抗体法によるウェルシュ菌エンテロトキシンの検出(短報)
- モノクローナル抗体を使用した腸管出血性大腸菌O157:H7のフローサイトメトリーによる解析
- 6年制獣医師に関するアンケート調査結果 : 平成10年5月公表の報告書から
- フローサイトメトリー法によるエンテロトキシン産生性ウエルシュ菌芽胞の解析(短報)
- 屠肉の細菌学的研究
- ボツリヌス菌の分離において遭遇する困難(医学プロムナード)
- ニワトリ・ボツリヌス症発病への食糞の関与
- C型ボツリヌス菌細胞壁ペプチドグリカンとC_1L毒素との結合
- 茶飲料類に接種されたA型,B型ボツリヌス菌芽胞の動向
- C型ボツリヌス菌菌体と毒素との結合とその病原的役割
- ボツリヌス菌毒素の構造と機能(浅川賞受賞論文)
- ボツリヌス中毒の疫学と対策(臨床から公衆衛生へ--感染症シリ-ズ-10-)
- 試作非加熱ハム中でのA型およびB型ボツリヌス菌の毒素産生
- 逆受身ラテックス凝集反応によるボツリヌス菌毒素の検出
- 261 ボツリヌスE型毒素の逆受身空球凝集反応 : 特に魚肉およびかん詰中に含まれる微量毒素の検出について (公衆衛生学分科会)(第73回日本獣医学会)
- 159 日本人におけるE型ボツリヌス抗体の分布状態(公衆衛生学分科会)(第71回日本獣医学会記事)
- 158 ボツリヌス型毒素の逆受身血球凝集反応について(公衆衛生学分科会)(第71回日本獣医学会記事)
- 47 ミンクに発生したボツリヌス中毒について(予報)
- 特集2 なぜ起こるウェルシュ菌食中毒--必殺法は再加熱!!
- 近未来の獣医公衆衛生学教育を展望する (特集 獣医学教育を考える--臨床教育の充実をめざして)
- Clostridium perfringens 検出のための糞便検体保存法
- 24 海水細菌と魚介類の疾病 : 特に病魚よりの分離菌東京大学腸炎ビブリオの魚介類への病原性について (第59回日本獣医学会記事)
- 25 細菌によるアルギニンよりのアルカリ産生について : とくにその機構と腸内細菌分類への応用について
- 21. 伝貧淘汰馬よりベセスダ群パラ大腸菌と考えられる細菌分離例について
- 非加熱食肉製品の微生物学的安全性に及ぼす製造工程の影響
- 牛肉塊に接種したサルモネラ・大腸菌およびブドウ球菌の殺菌
- From farm to table方式による衛生管理 (特集 畜産食品のHACCP From farm to table方式による衛生管理)
- ボッリヌス菌について
- 食品微生物学の今後の課題
- Separation of Clostridium Botulinum Type A Derivative Toxin into Two Fragments
- ブドウ球菌エンテロトキシンに関する研究-6-ブドウ球菌エンテロトキシンDの精製および抗毒素血清の作製
- ブドウ球菌エンテロトキシンEの精製およびエンテロトキシンAとEとの免疫学的交差反応
- ブドウ球菌エンテロトキシンに関する研究-5-逆受身血球凝集反応によるブドウ球菌エンテロトキシンA,B,Cの検出について
- ブドウ球菌エンテロトキンに関する研究-4-エンテトロトキシンBの精製および精製標品と市販品との比較
- ブドウ球菌エンテロトキシンAおよびCの精製と抗毒素血清の作製について
- 新しい型のポツリヌス中毒--乳幼児とブロイラ-の消化管内での毒素産生
- ウエルシュ菌エンテロトキシンの Vero細胞による生物学的定量
- ウエルシュ菌とセレウス菌のエンテロトキシン
- 987P線毛保有大腸菌の哺乳豚からの分離
- 有芽胞細菌による食中毒 : ウェルシュ及びセレウス
- スポア形成細菌による食品汚染の実態
- ポツリヌス菌毒素--最強の毒素 (毒の化学--生物毒の世界)
- ブドウ球菌エンテロトキシンEの精製およびエンテロトキシンAとEとの免疫学的交差反応
- ブドウ球菌エンテロトキシンAおよびCの精製と抗毒素血清の作製について
- ウエルシュ菌とセレウス菌のエンテロトキシン
- はじめに
- ボツリヌス菌毒素の構造と機能
- 新しい型のボツリヌス中毒 : 乳幼児とブロイラーの消化管内での毒素産生
- アリルカラシ油による低温細菌の制御
- フローサイトメトリーによるエンテロトキシン産生性ウエルシュ菌の特異迅速検出
- LAK細胞の作製と抗腫瘍効果