クサガメからの完全長dmrt1 cDNAのクローニング(毒性学)
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概要
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クサガメの精巣から完全長のオープンリーディングフレーム(ORF)を含むdmrt1 cDNA (Crdmrt1)のクローニングを行い,塩基配列を決定した. Crdmrt1は,全長1,504塩基対で, 371アミノ酸残基からなるタンパクをコードしていた.成熟雄性クサガメの各組織におけるCrdmrt1 mRNAの発現をRT-PCR法を用いて解析した結果,精巣のみに発現が認められた. Crdmrt1の推定アミノ酸配列は,スッポンおよびシマヘビのDMRT1と高い相同性(93%および83% positives)を示した.各動物種のDMRT1とCrDMRT1の推定アミノ酸配列を比較したところ, DMRT1に共通して保存された3領域(DM domain, male-specific motifおよびP/S-rich region)における相同性(positives)は,それぞれ88-100%, 60-100%および35-100%だった. DM domainにおけるZn^<2+>結合領域のアミノ酸配列は,解析した全ての動物種で保存されていた.これまでに報告されているDMRT1, DMRT2, DMRT3およびCrDMRT1の推定アミノ酸配列を用いて系統解析した結果, CrDMRT1はDMRT1に属し,カメは系統樹において,鳥類およびヘビの姉妹群である事が示された.本研究は,は虫類における初めての完全長ORFを含むdmrt1 cDNAのクローニング報告である.
- 2008-07-25
著者
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星 英之
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻
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星 英之
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻獣医公衆衛生学研究室
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星 英之
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻獣医公衆衛生学教室
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中尾 亜矢
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻獣医公衆衛生学研究室
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Hoshi Hidenobu
Department Of Veterinary Public Health Division Of Veterinary Sciences Graduate School Of Agricultur
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