インドネシアのスラウェシおよびセラムにおける森林伐採と村落形成過程におけるイエバエ属(双翅目, イエバエ科)ハエ類の調査
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
インドネシアのスラウェシとセラムの乾季の熱帯林において, 森林伐採と村落形成・人の定着過程におけるイエバエ属(Genus Musca)の侵入と発生の様相を腐肉トラップを用いて観察した。中央スラウェシのToili地区の7地点で採集されたハエ類は計3科(イエバエ科, クロバエ科, ニクバエ科), 2,215個体で, そのうちイエバエ属はイエバエMusca domestica, ハラアカイエバエMusca ventrosa, フタスジイエバエMusca sorbensの計3種47個体であった。人が住んでいない自然林ではイエバエ属ハエ類は採集されなかった。イエバエとハラアカイエバエは, 調査地点5-7の村・町に加えて, 伐採地域および自然林と新しい村(形成後1-2年)との境界(林縁部)でも採集された。フタスジイエバエは, 新しい村, 形成後12年の村, 形成後20年の町(Toili Town)で採集された。ハエ類全体に占めるイエバエ属の割合は, 村落形成後の経過に伴って増加した。セラムのムルケレ山系において熱帯林によって隔絶・孤立されたマヌセラ村では, 採集された180個体のイエバエ属のうち, フタスジイエバエが98.3%(177個体)を占め, イエバエは3個体のみであった。
- 2000-03-15
著者
-
茂木 幹義
佐賀医科大学・病因病態科学
-
岩佐 光啓
帯広畜産大学畜産環境科学科昆虫学教室
-
倉橋 弘
国立感染症研究所昆虫医科学部
-
茂木 幹義
佐賀大学
-
岩佐 光啓
帯広畜大・昆虫
-
岩佐 光啓
帯広畜産大
-
岩佐 光啓
帯広畜産大学昆虫学研究室
-
岩佐 光啓
帯広畜産大学畜産科学科
-
岩佐 光啓
Laboratory Of Entomology Obihiro University Of Agriculture And Veterinary Medicine
関連論文
- インドネシアのスラウェシおよびセラムにおける森林伐採と村落形成過程におけるイエバエ属(双翅目, イエバエ科)ハエ類の調査
- 日本産チーズバエ科(双翅目)の分類
- ヒグマの糞より発生するハエ類
- 9.西チモール山間部の竹切り株の蚊類幼虫群集
- インドネシアの人家と水田の間におけるクマネズミの移動
- B26 千葉県におけるヤマトクロコバエDesmometopa singaporensisの採集記録(第62回日本衛生動物学会大会特集)
- B26 アカゲラおよびブッポウソウのヒナから見いだされたトリチスイコバエ Carnus hemapterus Nitzsch (双翅目, チビコバエ科)について(第59回日本衛生動物学会大会特集)
- 10 ナミニクバエの休眠誘導日長と低温耐性からセンチニクバエとの分布域の比較(第59回日本衛生動物学会東日本支部大会講演要旨)
- B24 冬季に活動期を迎えるオオクロバエの脂質(第59回日本衛生動物学会大会特集)
- B06 異なる餌、温度下におけるオオクロバエの生育について(一般講演,演題要旨,第58回日本衛生動物学会大会)
- A09 オオクロバエの脂質代謝
- ケブカクロバエAldrichina grahami (Aldrich)(Diptera: Calliphoridae)成虫の卵巣発育におけるエクジステロイドホルモン及び脂質の変動について
- A22 ACE遺伝子をマーカーとした日本産Culex pipiens complexの簡易判別法
- エゾシカから検出されたシカシラミバエ Lipoptena fortisetosa Maa, 1965 (Diptera : Hippoboscidae)
- 成田国際空港近接地と周辺地域の媒介蚊調査(2003,2004年)
- 都市域における疾病媒介蚊の発生状況調査 : ドライアイストラップを用いた2年間の調査結果
- A43 成田空港の周辺3地域における疾病媒介蚊相に関する調査結果
- A21 関東地方におけるチカイエカとアカイエカの地上での発生状況(個眼数による判別の試み)
- 19 南西アジア地域における人畜有害双翅類昆虫の動物地理学的研究(昭和 62 年度 : 予報)
- B24 インドネシアの水田開発が家鼠類の分布に与える影響 (2)
- 6 マレーシア・ゴンバックの熱帯雨林で採集したギンモンカ属(Topomyia)の蚊(第54回日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)
- 5 マレーシア・ゴンバックの熱帯雨林で採集したクロヤブカ属(Armigeres)の蚊(第54回日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)
- A17 マレーシアで採集されたTripteroides属の蚊について
- 日本産トゲアシメマトイ属 (Genus Hydrotaea Robineau-Desvoidy) の 2 新種
- スラウェシ島南部の都市部の下水溝におけるネッタイイエカの密度を制限する要因
- タイ国バンコク近郊における日本脳炎媒介蚊の吸血間隔と生存率の推定
- 12. 魚を用いた蚊の生物防除の有効性と問題点(第51回日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)
- 10. The hypopharynx of male and female mosquitoes(第51回日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)
- A10 蚊の雄成虫の大顎、小顎、下咽頭の構造 : 進化的視点から
- A07 チモール島の竹切り株における蚊類幼虫群集の構造
- 8 東インドネシアにおける導入メダカ類によるマラリア媒介蚊防除の可能性
- 3 Mouthpart morphology of male Aedes mosquitoes
- EA12 竹切り株からのヒトスジシマカの発生に及ぼす他種の影響
- EA2 水田潅漑と蚊幼虫発生水域 : インドネシアでの天水田、新潅漑水田、旧潅漑水田地域の比較
- 1 ヒトスジシマカの季節消長 : 山と平地の比較
- A07 サイズの異なる水たまりへのイエカ類の定着
- 1 様々な面積の止水域における蚊幼虫の発生状況
- A15 インドネシア、チモール島の蚊相の調査, 1998
- A01 様々な面積の水域における蚊の幼虫と捕食性昆虫の出現様式とその季節変化
- B23 中央スラウェシおよび北セラムの森林伐採地に生じた水たまりにおける蚊の幼虫の分布
- 32 マレーシアで観察した卵塊を腹部下に保有するArmigeres flavus(Leicester)の生態
- ポール・W・イーワルド(著), 病原体進化論, 池本孝哉,高井憲治(共訳), 2002, 新曜社, 19.5×14cm, 352+116(文献・用語集・索引)頁, \4,500(税別)
- A16 不快動物はなぜ不快なのか
- インドネシア産新種Topomyia (Suaymyia) miyagii
- 3種シカマの発育に及ぼす温度の影響
- 昆虫と気象(気象ブックス 011) 桐谷圭治著, 成山堂書店, B6,177 頁+索引 6 頁, 1680 円, (税込)
- 11 日本におけるネッタイシマカ土着の可能性について
- EA3W7-1 東アフリカの大地溝帯および気候変化のマラリア蚊分布への影響
- 蚊媒介性感染症の分布域拡大はあるか
- A11 インドネシア南スラウェシ都市部の下水溝におけるネッタイイエカの分布
- インドのツヤホソバエ類および1新種の記載 (双翅目)
- 3 動物園動物の糞便から発生する双翅目昆虫による寄生虫卵伝播の可能性(一般講演,第52回日本衛生動物学会北日本支部大会講演要旨)
- A02 インドネシア, 東チモールにおける蚊類の調査 (1999 年)
- B27 日本産サシバエ類のmtDNAによる遺伝的解析と系統およびイエバエ属(genus Musca)との関係(双翅目,イエバエ科)
- B08 牛用駆虫剤モキシデクチンの糞分解性昆虫に及ぼす影響(一般講演,演題要旨,第58回日本衛生動物学会大会)
- 多発したマンソン孤虫症の1例
- 11 ハエ症の 2 例
- 北海道におけるニクバエ属幼虫によるハエ症 2 例
- 特定育成牧場でのMoraxella bovis感染症の持続発生
- 動物用医薬品による放牧地の糞の残留汚染 : イベルメクチンが非標的糞分解昆虫に及ぼす影響
- 野鳥の巣より発生する日本新記録の Potamia littoralis R.-D. (双翅目 : イエバエ科)
- 竹林におけるキンパラナガハシカ (Diptera : Culicidae) の幼虫および卵の越冬成功におよぼす乾燥の影響
- 2 竹の切り株に発生する蚊の幼虫の生理的特性と、その種間相互作用における意義
- A-7 竹の切り株に発生する蚊の幼虫の種間競争
- 人の外耳道から見い出された日本新記録の Carnus hemapterus Nitzsch トリチスイコバエ(双翅目, チビコバエ科)
- 11 マレーシア,サラワク州産ニクバエの1新種(第59回日本衛生動物学会東日本支部大会講演要旨)
- 3 医学・法医学上重要な日本産ニクバエの雌外部生殖器の比較形態学(一般講演,第58回日本衛生動物学会東日本支部大会講演要旨)
- 19 アサヒナニクバエの分類再検討(第56回日本衛生動物学会東日本支部大会講演要旨)
- 3 インドネシア、ハルマヘラ島の人家周辺で採集された蚊について
- A04 帯広市におけるイエバエからの腸管出血性大腸菌 O157 : H7 の分離
- 水田発生媒介蚊の総合的管理 : 水平的総合の提案
- A05 チカイエカは地下の蚊か? : チカイエカの起源に関する一仮説
- B06 インドネシアの森林伐採、村落形成過程におけるイエバエ属の侵入と定着
- 温帯日本におけるヤブカ 3 稀種の分布地新記録
- クロイエバエ Musca bezzii Patton et Cragg の生活史および繁殖サイクル
- 2 アマツバメより見い出された日本未記録のシラミバエ科(双翅目)の一種について
- 60 岐阜県の恙虫病=タテ、フトゲツツガムシによる感染の二重構造
- 59 岐阜県の恙虫病 = 恵那(非流行)高山(春も発生)の野鼠、ツツガムシの調査
- 6 岐阜県一地方におけるツツガムシの恙虫病リケッチア保有率
- セトウチハヤトビバエの分類と形態
- 不快害虫問題を起こしたセトウチハヤトビバエ : 大量発生・集中飛来・防除対策
- EB5 十勝地方におけるヤマトマダニ (lxodes ovatus) とシュルツェマダニ (I. persulcatus) の生態 : 発生消長と植生上の移動
- 3 インドネシアから採集されたセンチニクバエのコロニーの生理的特性
- 佐賀県の野鼠寄生ツツガムシと野鼠ならびに住民のつつが虫病抗体保有率
- B07 北海道における法医昆虫学の研究 : ブタの死骸上での昆虫遷移(一般講演,演題要旨,第58回日本衛生動物学会大会)
- 畜産環境に関連するハエ類の分類,生態,疫学に関する研究(日本衛生動物学会賞受賞講演,演題要旨,第58回日本衛生動物学会大会)
- A36 トゲベッコウバエ Steyskalomyza hasegawai Kurahashi (双翅目、ベッコウバエ科) の若齢期について
- EB23 ベトナム北部のツヤホソバエ科ハエ類 (双翅目)
- 自然環境中に建てられた大規模近代建築へのウヅキイエバエモドキの大量飛来と越冬
- B29 冬季沖縄本島における法医昆虫学上重要なハエ
- B6 十勝におけるトリキンバエ類の生態 : 幼虫・蛹期間、化生および寄主特異性(生活史・分布)
- 野鳥の雛に皮下寄生する日本新記録の Trypocalliphora braueri Hendel ヤドリトリキンバエ(新称)について
- 66 野鳥の雛に皮下寄生する日本新記録の Trypocalliphora braueri (Hendel) について
- E30 野鳥に寄生するトリキンバエ類について : 営巣場所をめぐるシジュウガラとニューナイスズメの関係およびトリキンバエ類の生態(生活史・分布・天敵・生物的防除)
- 佐賀市における蚊吸血被害に関するアンケート調査
- 106 竹林内における蚊の幼虫の分布の季節変化
- 東京で採集したセンチニクバエの休眠蛹の生存率に及ぼす低温期間
- 日本産ホソイエバエ属の 2 新種 : 双翅目 : イエバエ科
- B01 旧世界のオビキンバエの属の再検討
- 大都会に息づく照葉樹の森 自然教育園の生物多様性と環境, 国立科学博物館叢書(14), 濱尾章二・松浦啓一(編), 東海大学出版会, 2013年3月20日刊行, XXII+157pp., ISBN978-4-486-01974, 2800円+税