竹林におけるキンパラナガハシカ (Diptera : Culicidae) の幼虫および卵の越冬成功におよぼす乾燥の影響
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概要
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佐賀市近郊の竹林において, 冬季の乾燥がキンパラナガハシカの幼虫および卵の越冬におよぼす影響を調べた。1995年11月に3,4齢幼虫の見られた竹の切り株のうち半数は冬季に乾燥し, 幼虫のほぼ全数が死亡した。調査区域内の3,4齢幼虫の全数は11月から翌年の3月にかけて1208個体から225個体に減少した。越冬卵から孵化した幼虫が出現した3月以降, 幼虫の出現頻度は増加し, 5月には調査区域内の2齢幼虫から蛹までの総個体数は2994に達した。これらのうち約半数は, 冬季に乾燥したことのある切り株内に存在しており, キンパラナガハシカの越冬卵が乾燥耐性をもつことが示された。キンパラナガハシカの幼虫は春期に, ヒトスジシマカやヤマトヤブカが増加する以前に高密度になり, 主な競争者が不在のうちに成長することが可能であった。キンパラナガハシカのこのような越冬様式は, 竹林内での本種の優占を促進するものと考えられる。
- 1997-12-15
著者
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