レーザードップラー法によるセイヨウナシ'ラ・フランス'果実熟度の非破壊測定
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概要
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レーザードップラー振動計(LDV)を用いて, セイヨウナシ'ラ・フランス'果実の追熟中に弾性率を測定した.果実は1999年に3回採取し, それぞれ収穫後ただちに20℃で追熟を行った.収穫適期に採取した果実の一部は1℃で貯蔵し, 2週間, 1か月, 2か月あるいは4か月後20℃に移し追熟を行った.早期収穫果において, 収穫時の弾性率は36.4×10^5Hz^2・g^<2/3>であり, 追熟に伴い低下した.適期収穫果では, 弾性率が2段階の減少パターンを示した.他方, 晩期収穫果では, 追熟に伴い弾性率が指数関数的に低下した.貯蔵中に弾性率は低下し, 貯蔵期間によって弾性率の減少パターンが変化した.すなわち, 適期に収穫し1℃で2週間貯蔵した果実では, 弾性率が2段階の減少パターン示した.1か月間あるいは2か月間貯蔵した果実では, 追熟中に弾性率が指数関数的に低下した.他方, 4か月間貯蔵した果実では, 追熟開始時の弾性率が最も小さく(4.3×10^5Hz^2・g^<2/3>), 追熟中の変化も小さかった.収穫日あるいは貯蔵期間の違いにかかわらず, レオメーターで測定した果実硬度と弾性率との間には高い相関関係が認められた.ただし, 4か月間貯蔵した果実での相関は低かった.これらの結果より, セイヨウナシ'ラ・フランス'では, 収穫適期に採取し低温貯蔵期間が短い果実では, 追熟中の弾性率が2段階の減少パターン示すこと, また, LDVによる果実硬度の非破壊測定が可能であることが判明した.
- 2006-01-15
著者
-
村山 秀樹
山形大学農学部
-
桜井 直樹
広島大学総合科学部
-
桜井 直樹
山形県立中央病院外科
-
櫻井 直樹
東北大学第1外科
-
桜井 直樹
広大総合科学部
-
山本 良一
帝塚山大学現代生活学部
-
山本 良一
帝塚山大学短期大学部
-
桜井 直樹
広島大院生物圏科学研究科
-
今野 一朗
山形大学農学部
-
寺崎 章二
松下寿電子工業株式会社
-
桜井 直樹
東京大学皮膚科学教室
-
山本 良一
帝塚山短期大学 ・食品科学
-
桜井 直樹
広島大・総科・自然環境
-
山本 良一
帝塚山大学短期大学部植物生理学
-
山本 良一
帝塚山大学、短期大学部、生物・化学研究室
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