球面相関を用いる多視点距離・カラー画像の統合

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レーザレンジファインダ等の3次元情報入力技術の進展に伴い、物体の表面形状を直接計測し、距離画像としてデータを記録・保存することが可能になり、また近年では、形状とカラー(輝度)を同時に計測した画像の解析が盛んになってきている。しかし、物体を一方向から観測した場合は、死角等の不可視部分が生じる。そのため、物体の全表面の3次元形状を獲得するには、多視点から計測を行った複数の画像データを統合する必要がある。距離画像から抽出される幾何特徴としては、3次元曲率が挙げられる。しかし対象物体が滑らかな曲面を含む場合は、3次元曲率値を用いて信頼性の高い形状特徴点を安定に抽出することが困難である。そこで河井ら[1]は、各視点の距離画像を距離値が近似した小領域集合に分割し、その中から信頼度が高い領域を複数個選択し、それらの相互位置関係を用いて階層的に対応付けを決定して統合する方法を提案した。しかし、オクルージョンが起きた場合には対応付けが不安定である。また他の提案とし、ランダムに選択された特徴点群を確率的な手法を導入して漸近的に対応点を探す手法が紹介されている。そこで、距離画像と同時に獲得されるカラー画像を用いて、色の不連続点を特徴点として抽出し、L^*u^*v^*等色度空間に変換してu^*v^*平面の色相角の差を用いて対応点をとり統合する手法が提案されている。本研究では、距離画像とカラー画像を用いて、色の不連続点における位置ベクトルを球面相関を用いて大局的に比較し対応づけることにより多視点画像を統合する方法を提案する。また、特徴点における不連続点の色情報を用いることにより対応点候補を絞り計算の省力化を図る。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-09-18

球面相関を用いる多視点距離・カラー画像の統合

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