奥行きおよび空間知覚特性に基づく階層的3次元物体モデルの生成・表示

概要

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リアリティが高く臨場感を与える3次元仮想空間を効率的に生成・表示するために、人間の視覚特性を考慮することは重要である。特に、奥行きに対する知覚を明らかにすることは3次元の仮想空間内の距離感覚の認識を高め、効率的に仮想空間を構築し、表示するために重要である。つまり、視点から遠くにある物体を、その奥行き距離(視距離)と知覚特性に基づき適切に簡略化して表示することで、知覚される品質を維持したまま物体表示速度を向上することが考えられる。そこで本論文は、物体形状簡略表示の基準として、奥行弁別閾と奥行き空間周波数特性を適用することにより、多重解像度レベルを持つ階層的3次元物体モデルを効率的に生成・表示する手法を提案する。本手法では、奥行き知覚特性に基づく奥行弁別閾に応じて、解像度レベルの表示有効範囲を自動的に決定することにより、視距離に応じて滑らかに解像度レベルを切替えることが可能になる。また奥行き空間周波数特性を適用して、奥行きと空間方向(物体輪郭)の全方向の知覚特性を考慮することにより、任意方向の物体表示に対応できる。
1997-12-12