誘発電位を用いた視覚情報の脳内処理メカニズムの検討 : 電流源密度法による解析

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概要

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近年, 非侵襲的手法を用いたヒトの視覚情報処理に関する研究が盛んにおこなわれている.本稿では, ヒトに顔画像や文字画像を与え, その脳内情報処理について電流源密度法を用いて比較検討した.その結果, 顔刺激後約200msecにおける脳内の主な活動部位は後側頭部位であり, ほとんどの被験者において右半球優位であった.一方, 文字についても顔と同様な傾向を示した.これらより, アルファベットの「A」のように意味を含まない文字の場合は, 顔同様に後側頭部位において右半球優位で形状の処理がおこなわれるのではないかと推察された.また, その後の時間的な処理過程を調べた結果, 顔の場合はさらなる脳内情報処理の様子がみられたのに対し, 文字の場合はみられなかった.これについては, 顔が文字に比べて情報量を多く含むために, より複雑な処理をおこなったときの様子がみられたものと考えられる.
2005-01-22

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