等張性収縮時の脳-筋コヒーレンス(1)

概要

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腕を上下に動かすといった運動は, 多くの筋の協調運動でなされることはよく知られている. このような運動の遂行は多くの筋と脳の感覚運動野との複雑なコミュニケーションによってコントロールされている. このコミュニケーションは部分的には信号の振動という現象であらわれ, 脳の運動野から発せられた筋への命令信号はある時間遅延をもって筋へ到達する. したがって, 筋から記録された筋電図の中にその命令信号が含まれていることが示唆される. 脳と筋とのコミュニケーションに関する研究として等尺性運動における脳-筋間コヒーレンスは広く研究が行われており, 約15〜30[Hz]のβ帯域で高い相関があることが確認されている. しかし, 等張性運動においての研究はあまり行われていない. そこで本研究では前腕を上下に屈曲させる等張性運動において脳と筋の同期的結合状態を, 運動中の脳波と腕の筋電図とのコヒーレンス解析を用いて調べた. 結果, 腕を持ち上げる直前に8〜13Hzの帯域で相関がみられ, 70〜150Hzの高帯域でも相関がみられた. また, 腕を曲げ切った状態中にも8〜13Hzの帯域で相関がみられた. その他, 2人の被験者に腕を動かしていない状態の時に15〜30Hzの帯域で相関がみられた.
2006-01-20

等張性収縮時の脳-筋コヒーレンス(1)

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