顔および顔の各パーツの認知と誘発電位

概要

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近年,脳磁図や脳波を用いたヒトの顔認知に関する研究が盛んに行われている.しかし,これらは顔の画像のみを用いた研究が多く,顔を構成する顔の各パーツの画像を用いた研究は少ない.そこで本稿では,健常者8名に顔画像もしくは目,鼻,口,眉毛の各顔パーツ画像を視覚刺激として呈示した際の誘発電位を解析し,顔認知のメカニズムについて検討した.その結果,潜時約210〜250msで出現した陽性電位は,いずれの画像呈示時においてもFz,Czで高振幅差であり,顔が最も短潜時でかつ高振幅差であった,このことより,下側頭回の顔ニューロンが発火した際,その影響がFz,Czに及んだものと考えられる.また,潜時約340〜440msで出現した陽性電位は,いずれの画像呈示時においてもCz,Pzで高振幅差であったことから,顔および各顔パーツを認知した際に生じた電位であると思われる.中でも眉毛は最も高振幅差であり比較的短潜時であったことから,他の顔パーツとは情報処理のされかたが違うのではないかと推察された.
2004-01-23