異なる地域住民における上肢運動機能の定量的評価2(医・工学連携における新しい計測・解析技術開発への期待)

概要

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本研究では,九州・沖縄の地区に在住する住民の上肢運動機能に注目し,検討を行っている[1].今回は前回の鹿児島県出水市潟地区,宮崎県川南通浜地区に加え,宮崎県宮崎市青島,熊本県天草市五和町,南小国市阿蘇郡南小国町,沖縄県那覇市の全6地区を対象とした.また,比較対象の基となる熊本市近郊における健常人のデータ数も充実させ,解析・検討を行った.評価には我々の研究室で開発したシステムを用い,各地区在住の住民を対象に視標追跡描円課題を課し,客観的な評価を試みている.その結果,潟地区・川南地区の住民は,熊本市近郊在住する同年代の健常人と比較して,ターゲットからのずれ,遅れ,描円の滑らかさ,震え成分を表す各パラメータが大きく異なる値を出す例が多数存在した.また,潟地区住民には静止時における震えもみられる.他地区としては,青島地区では筆圧成分に,沖縄地区では筆圧・描円の滑らかさを示す成分に特徴がみられ,五和・南小国地区は熊本市近郊とほぼ同じ値を示している.しかし,震えの成分に注目したとき,南小国地区の住民は他地区に比べ,高い周波数成分を保持した状態で上肢運動を行っていることが分かった.
2007-01-19