文書構造を利用した箇条書きや表形式文書からの内容抽出

概要

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文書中から目的としたキーワードを取り出し, そのキーワード間の関係を決定する方式について述べている.従来の内容抽出の研究は, 助詞や動詞等を備えた文のみからなる文書を対象としていた.しかし, 多くの文書では, 表, 箇条書き, 単語のら列といった文以外の構成要素(以下, 表部と呼ぶ)を含んでいる.表部では, 従来の内容抽出の手掛りであった文内や文間の文法的の情報が利用できない.このため, 表部を含む文書からの内容抽出については, 新しい手法が必要となる.新しい内容抽出方式では, まず, 文書の構造認識を行う.具体的には, 文字, 品詞, 文書中の空白, および単語のもつ意味属性, の2次元的配置を利用して表部の範囲を認識し, 更に, 表部をブロックと呼ぶ単位に細分する.次に, 内容抽出(キーワード間の関係を決定)を行うために, 各ブロックを抽出項目を指定したフレームと対応づける.フレーム中のスロットを埋める手掛りとして, 単語の字面, 意味属性を用いる.中古品売買情報の電子メール文書に対して実験を行った.文書構造認識の成功率は75%であった.また, 内容抽出全体での再現率, 適合率は, それぞれ73%, 74%であった.
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-07-25