表形式や箇条書きを含む文書の構造認識

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通常の技術文書やビジネス文書は、小説と異なり、いわゆる主語、述語を含む文のみから構成されることは少なく、図、表、箇条書き等を含むことが多い。最近、こうした文書が、電子メールによってやりとりされることも多くなってきた。画像、音声を含むデータのやりとりも存在するが、文字コードのみを介した情報交換は、依然として多くの割合をなしている。この場合、文書中の図や表は、文字コードの集合として表現しなくてはならない。図を文字コードのみを使って表現することはむずかしいため、電子メール中の文書には含まれないことが多い、しかし、表は、枠罫線無しの表として文書中に頻繁に出現する。一方、ビジネス文書や技術文書の構造認識は、文書からの内容抽出、SGML等への文書記述変換等に必要となる。文書構造の認識については、箇条書きの範囲や、文書中の記述から表への参照構造を、自動的に認識する研究は行なわれている。しかし、表はブラックボックスしてのみ捉えられ、表の内部構造までは取り扱っていない。また、表の内部構造の認識は、いわゆる文書画像理解と呼ばれる研究分野で行われている。しかし、入力が画像データであるため、水平・垂直の枠罫線も情報として入力され、それが表構造の認識に必須の情報となっている。これに対して、本研究は入力が文字データ(文字コード)の文書である。したがって、枠罫線は論理上では存在するが、出力される文書には印刷されない。このため、架空に存在する枠罫線を、文字列の2次元配置や単語の持つ意味をもとに推測しなければならないという違いがある。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-03-15

表形式や箇条書きを含む文書の構造認識

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