摩擦転写法による高分子配向膜とその分子配列(有機EL及び関連有機材料, 低温poly-Siと有機TFT技術と一般)

概要

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π共役系高分子の、光・電気物性は, 高分子主鎖方向に非局在化した電子共役系に由来したものであり, 主鎖の配列を制御することによって異方的な特性が発現する。近年、共役系高分子は様々な手法で配向膜化され、その異方性に由来した多くの利点が発現されることが報告されている。本研究では、高分子発光ダイオード材料として知られるポリパラフェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリビスオクチロキシフェニレンビニレン(BOPPV)を摩擦転写法により配向・薄膜化し、偏光光吸収・蛍光スペクトル測定およびX線回折法により、その分子配列を評価した。偏光光吸収・蛍光スペクトル測定より、高分子主鎖が摩擦掃引方向に一軸配向していることを明らかにした。その光吸収二色比は約8であり、また蛍光強度の二色比は約18と非常に大きな値を示し、摩擦転写法によって高度に一軸配向した膜を得られることがわかった。またX線回折によって、BOPPV分子が摩擦転写膜内で摩擦掃引方向だけでなく、3次元的に整列していることを明らかにした。
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-04-14