実時間遠隔コミュニケーションを支援する相互視界共有システム(ネットワーク・並列分散システムソフトウェア, <特集>システム開発論文)

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インターネットや携帯電話の普及は, 離れた場所にいる人同士のコミュニケーションをより便利で日常的なものに変えた.特に携帯電話によって我々はいつでもどこにいても, 遠隔地間で音声による実時間コミュニケーションが可能になった.本論文では, めがね型フェイスマウントディスプレイ, ユーザの目の直上に取り付けた小型カメラ, そしてウェアラブルPCを用いた, リアルタイムに相手と自分の視界を相互に共有する実時間遠隔コミュニケーション支援システム(相互視界共有システム)を提案する.本システムを用いて遠隔地にいる相手とコミュニケーションを行っているとき, 両者のディスプレイには常に同じ「共有視界」が映っている.自分の視界を相手と共有している場合の「共有視界」には, 自分のフェイスマウントカメラから得られた画像と相手の手画像を合成したものが映っており, 相手の視界を相手と共有している場合の「共有視界」には, 相手のフェイスマウントカメラから得られた画像と自分の手画像を合成したものが映っており, これによって, 遠隔地にいても, 話題の対象となっている物体を視覚的に共有すること, ポインティングジェスチャを用いて対象の位置情報を相手へ伝達することが可能になる.システムは完全にウェアラブルであり, 両者は適宜共有する視界を切り換えながらコミュニケーションを行う, いわば携帯電話の延長上に位置するようなシステムとなっている.本システムを用いて「会話相手に物を探してもらう」といった内容の実時間遠隔コミュニケーション実験を行ったところ, 音声のみでのコミュニケーションと比較して, 対象物体の形状が複雑であり, 相手がその物体についての知識を有していないような場合に, 本システムが特に有効であった.
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-02-01

実時間遠隔コミュニケーションを支援する相互視界共有システム(ネットワーク・並列分散システムソフトウェア, <特集>システム開発論文)

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