高次離散時間・離散周波数分布の一般クラスと核関数設計問題に関する一考察

概要

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FonollosaとNikiasは離散時間信号の時変高次モーメントスペクトルを表現する高次離散時間・離散周波数分布を提案している.しかしながら彼らの提案する分布は,周辺条件と呼ばれる重要な性質を満足するために,本来信号が定義されない時間・周波数においても値を持つ.小文ではまず,これに代わる高次離散時間・離散周波数分布を提案している.提案する分布は信号が定義される時間・周波数においてのみ値を持ち,なおかつ周辺条件が実現可能である.また,提案する分布はCohenの時間・周波数分布と同様に核関数により完全に特徴づけられる.そこで提案する分布が望ましい性能を実現するために核関数が満たすべき条件を明らかにしている.さらにこれらの条件を可能な限り満足する核関数の設計問題を検討している.この結果,核関数を有限次元複素ベクトル空間の一点とみなすことにより,各々の設計条件が閉凸部分集合C_iとして表現できることが示される.最後に,共通部分集合∩_iC_i上で最良と考えられる核関数がハイブリッド最急降下法を用いて算出できることを示している.
2001-03-23