多目的最適信号推定・設計のための制約付き同時凸射影法の提案

概要

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複数の凸制約条件を同時に満たす信号を推定・設計するために提案された逐次凸射影法(POCS)は,信号のデコンボリュージョン問題, 超解像問題, 画像再構成問題など広範な信号・画像処理問題を解決する強力な手法として知られるが, 実際には、対象となる復数の凸制約集合の共通集合が空となる充足不能な場合が多く生じるため、(1)充足可能性の判定問題の解決, および(2)充足不能問題の最適信号推定問題の解決の重要性が指摘されてきた. 最近, Combettes は, 充足可能な問題のみならず充足不能な問題に対しても各凸制約集合への重み付き2乗平均距離を最小とする意味で最適な信号を算出する同時凸射影法(PPM)を提案しており, (1)の問題はほぼ解決された状況にある. しかしながら、(2)の問題に対しては、Combettesのアルゴリズムは、信号推定・設計問題の多くが要求する特定の凸制約条件を満たす保証を与えないという重大な問題点を有している. 小文では, 特定の凸制約条件を満足することを保証しつつ残された各凸制約集合への重み付き距離を最小とする意味で最適な信号を算出する制約つき同時凸射影法(CPPM)を提案し, これにより, (2)の問題も解決されることを示す.
1996-03-08