選択的注視に基づく複数対象の動作認識
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概要
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本論文では, 対象の切出しが行われていない動画像(映像)から複数対象の動作識別と個数の認識を行う動作認識法を提案する. 従来の動作認識法では, 画像からの特徴抽出と, 抽出された特徴の時系列解析, を順に行うボトムアップ処理が主流であった。このため, 特徴抽出段階で画像から対象の切出しを行うと, その処理が不安定であるために, 動作認識システム全体が不安定になるという問題があった. 本論文では複数動作を安定に識別するために, まず「選択的注視機構」を提案する. この機構は, 系列の解析を行う非決定性有限オートマトン(NFA)の各状態に特定の画像領域(注目領域)を対応づけておき, この内部で特徴抽出(イベント検出)を行うものである. この方式では, 注目領域外部の画像の変化の影響を受けないイベント検出, 非決定性状態遷移による可能なすべてのイベント系列の解析が行えるため, 対象の切出しが行われていない映像から複数の動作を同時に識別することができる. このNFAの活性な状態集合に, 動作対象を表す色付きトークンを割り当て, 状態遷移とともに伝搬させる「対象弁別機構」を導入することにより, 動作の識別と同時に対象の個数の認識を行う動作認識システムを構成することができる. 更に, 本システムを多視点映像に拡張する方法を示し, 実験によって正確かつ安定に複数動作の認識が行えることを示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-06-25
著者
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