分散協調視覚 : 研究成果と今後の展望
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概要
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本論文では, 1996年度より5年間の計画で開始した分散協調視覚に関する研究プロジェクトにおいて, 我々の研究室でこれまでに得られた研究成果の概要と今後の展望を述べる.分散協調視覚システムでは, 有線・無線ネットワークで結ばれた多数の観測ステーション(多自由度カメラ雲台を備えた実時間3次元画像・映像処理装置)や視覚機能を備えた移動ロボットを能動視覚エージェントと考え, エージェント群の協調により, 以下の2つの機能を実現することを目的としている。1.分散協調型状況理解:空間的に分散配置された能動視覚エージェント群の協調によって, 動的に変化する実世界の多様な状況を実時間で把握する.2.効果的実時間映像生成:理解の結果得られた状況記述やネットワークを介して得た情報を人間に分かりやすい多様な形態の映像情報として実時間で表現・生成・編集する。こうした分散協調視覚システムを利用すれば, 実時間広域監視・交通管制システムといった広域シーンを対象とした視覚認識システムのほか, 対話型遠隔会議・講義システム, 対話型3次元立体テレビシステム・知的テレビスタジオ, 手術, 芸術, スポーツなど高度な身体技能の詳細な映像記録の作成, さらには, 移動ロボットや身体障害者の対話的誘導システムや, サッカーなど移動ロボット群によるチームプレイが実現できる.我々の研究室でこれまでに得られた主な成果としては, 多重フォーカス距離カメラ, 視点固定型パン・チルト・ズームカメラ, 多視点実時間映像撮影用PCクラスタ, ダイナミックメモリアーキテクチャ, 照明変化に不変な背景差分法, 実時間対象追跡システム, 選択的注視に基づく動作認識, 移動対象の協同注視システム, 身体動作の実時間3次元映像化システム, シナリオに基づく効果的映像撮影システムなどがある.
- 2000-03-23
著者
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