意味的類似性を用いた後処理的な音声認識正解部分特定法と音声翻訳手法への導入
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
話し言葉を音声認識した場合の誤り文の解析を目的として、音声認識処理後の結果文から正解部分のみを特定する手法を提案する[1]。話し言葉の文法記述が困難であることと、音声認識用の言語処理が文の局所的な部分にのみ制約をかけていることを考慮し、本手法では、用例に依存した単語間の意味的距離と意味的距離の近さから決定された単語間の依存関係とを用いて、音声認識の際の言語的な制約範囲と比べてより大局的な範囲での表現の自然性を判断することにより正解部分を特定した。本手法を音声翻訳システムに導入し、音声認識結果の正解部分のみを部分翻訳するシステムを作成した。このシステムを用いて、次の3点を評価することで、本手法の有効性を調べた。(a)正解部分特定率、(2)文理解への影響、(3)翻訳率への影響。その結果、特定された正解部分の96%は実際に正解であり、高い信頼度で正解部分を特定されることがわかった。また、正解部分のみを抽出することで、本手法の導入以前には誤った意味に理解された文を半減することができた。さらに、特定した正解部分のみを翻訳することで、認識誤り文の約69%の翻訳結果が対話を円滑に進めるに足る内容であった。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-07-18
著者
-
飯田 仁
Atr音声翻訳通信研究所
-
河井 淳
Atr音声翻訳通信研究所:(株)東洋情報システム
-
脇田 由実
松下電器先端技術研究所
-
飯田 仁
Atr音声翻訳通信研
-
脇田 由実
ATR音声翻訳通信研究所
-
河井 淳
Atr音声翻訳通信研究所
関連論文
- 新しい翻訳方式 : 協調融合翻訳方式とその多言語翻訳システムの開発
- 日英音声翻訳システム ATR MATRIX
- 解析木データベースを用いた音声認識誤り訂正手法
- 文字連鎖の統計的特徴を利用した音声認識誤り訂正手法
- 決定木を用いた日本語ゼロ代名詞補完
- 意味的類似性と多義解消を用いた文書検索手法
- 「異言語間コミュニケーションと自動翻訳」(コミュニケーション)
- 類似検索を用いた情報検索システム
- 単語間の意味的類似度に基づく文書検索手法
- 英語前置詞句係り先の用例主導あいまい性解消
- 経験的知識を活用する変換主導型機械翻訳
- 変換主導機械翻訳の超並列化の検討
- 用例主導型機械翻訳の超並列連想プロセッサIXM2による高速化
- 用例に基づいて英語前置詞の訳し分けを行う英日翻訳システム
- 用例に基づいた翻訳
- テキスト音声変換LSIの開発
- マルチメディア用RISCコントローラとその応用
- 単語と品詞の混合 n-gram を用いた形態素解析
- 音素対ごとに特化した特徴量を用いた音素認識法の検討
- 組み込み用32bit RISCとASIC開発環境
- 意味的類似性を用いた音声認識正解部分の特定法と正解部分のみ翻訳する音声翻訳手法
- 社会的役割の考慮による対話翻訳の精度向上
- 意味的類似性を用いた後処理的な音声認識正解部分特定法と音声翻訳手法への導入
- 同時通訳システムの実現に向けた漸進的翻訳処理
- 意味的類似性を用いた音声認識正解部分の特定法と音声翻訳手法への応用 (言語・音声理解と対話処理研究会(第17回))
- Japanese-to-German spoken-language translation utilizing empirical linguistic knowledge
- 音声言語の翻訳機構と多言語翻訳実験
- 用例に基づく日韓の対話翻訳処理機構
- 1995年の猛暑に思う
- 8.人工知能におけるスーパーコンピューティング : 言語表現の類似性を利用する自然言語処理技術 (最先端の科学技術とスーパーコンピューティング)
- 音声対話処理のための対話モデル (<小特集>音声によるコンピュータとの対話を目指して)
- 組み込み用32ビットRISCとその応用 (先端技術特集)
- ELIS8200のCPU-LSI開発環境
- 新ELIS用1ボードLISPプロセッサ
- 組み込みシステム用ソフトウェア開発環境
- 複数音素にわたるHMMの誤認識特性を用いた語彙候補の追加
- 単語bi-gramを用いた連続音声認識への状態系列の誤認識特性の利用
- 発想法の相違を考慮した翻訳手法の提案
- 話者適応が誤認識特性に及ぼす影響について
- 単語の依存関係を用いた単語クラスの自動決定法
- 複数音素にまたがる誤認識特性を用いた音素候補系列追加モデル
- 変換部主導型の対話翻訳機構
- 自然音声を認識-翻訳する技術
- 自然音声を認識・翻訳する技術