階層的な3次元物体形状の高能率符号化

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臨場感通信会議など、通信回線を介して仮想現実感を実現するためには、3次元物体形状などの情報を効率良く伝送、蓄積する技術が不可欠である。このような分野では、高品質な仮想現実感を得るため、また、多種多様な物体形状情報を容易に得るために、実在物体の形状計測データを用いる必要性が高く、特にこれらの情報を効率的に表現する技術が重要となってくる。形状情報の表現方法としては、入力(計測データ)、出力(レンダリングアルゴリズム)とマッチングの良い方法が望ましいが、計測データにはボクセルの3次元配列による表現などが有利で、一方、高速にレンダリングするためにはパッチなど幾何学的な表現が有利であり、どちらも最適とはいえない。最近ではボクセル表現を直接レンダリングする方法についても研究が進められており、ボクセル表現のまま伝送し、それを直接レンダリングするという方法が優位に立てる可能性がある。このようなボクセル集合を効率的に表現する方法にoctreeと呼ばれる方法がある。octreeでは、物体の表面積に比例する情報量ですみ、また、解像度に対する階層性を有するという特長があるが、木構造をしているためそのままでは伝送に不向きである。ここでは、octreeの階層構造を保存したまま、効率的に可逆符号化する方法について検討を行った。参照モデルとしては、近傍のoctreeノード値に対する条件付き生起確率を用い、その符号器の規模に関する検討、コンテクスト数削減方法に関する検討を行った。実際のデータを用いた実験の結果、octreeのノードあたりのエントロピは約4ビットとない参照モデルを用いない時の60%程度となることがわかった。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-09-28

階層的な3次元物体形状の高能率符号化

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