連続世代モデルにおける年齢構造を持つ遺伝的アルゴリズム

概要

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組み合わせ最適化問題等において準最適解を効率よく求めることができる遺伝的アルゴリズム(GA)は,生物の進化の過程を模倣したもので,選択,交叉,突然変異等の遺伝的操作により構成される最適化法の一種である.GAは,構成が簡単な反面,初期収束等の問題点があり,個体群に多様性が失われたときに起こりうる。これは,GAが適応度の高さに比例した割合で選択が行われるルーレット方式をベースにしているため,選択のとき,複数の同一個体が選択されるためである。しかし,適応度の高い個体の維持は最適化問題を解くうえで重要である.初期収束の対策として,従来は,近傍モデル等が提案されてきた。多くのGAは,離散世代モデルであるが,実際の生物界は,親子が共存する世代が重なる個体群(連続世代モデル)が多い。そこで本稿では,多様性を維持し,初期収束を緩和するために,各個体の生存率による選択を行う連続世代モデルに拡張した年齢構造を持つGAを提案し,その例として,巡回セールスマン問題(TSP)に適用し,数値実験を通して,その有効性について考察する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20