一時的観測不能領域抽出による超高速ベクトル化故障シミュレータの開発
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概要
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計算機を構成するLSIの製造においては、歩留まりの向上および不良品の確実な排除のため、診断の工程が不可欠である.LSIの規模は年今拡大され、この工程で使われる診断データの作成時間短縮は常に課題となっている。これに対応するための有効な診断容易化手段として、スキャン設計は現在広く用いられている.スキャン設計されたLSIは、組合せ回路部分とスキャンクロックで制御された同期順序回路部分とに別けて診断される.同期順序回路部分(スキャン回路)はRAMまたはレジスタのような単純な構造をしており、スキャンの操作そのものを組合せて完全なテスト生成を容易に実現できる.一方、故障シミュレータの高速化に関しては、組合せ回路部分を対象として数多くの有効な報告がなされているが、スキャン回路に適用できる決定的な手段はまだ一般的でない.そこで、25kゲート級LSIのスキャン回路に対して従来のソフトウェア順序回路用コンカレント故障シミュレータと比較して百倍程度高速迄なることを目標に、スーパーコンピュータの利用を前提とした故障シミュレーション(VFSIM)の開発を行った.本稿では.高速化方式の概要と、これを利用したLSIスキャン回路部分の診断システム(VITAL)の適用結果とについて報告する.
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
-
西田 隆夫
(株)日立製作所
-
宮本 俊介
(株)日立製作所
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宮本 俊介
日立製作所情報システム事業部試作開発センタ
-
南雲 宇晴
(株)日立製作所
-
永井 正彦
(株)日立製作所
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三善 正之
(株)日立製作所
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