明度および色度の段階的クラスタリングによる色彩画像の限定色表示

概要

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パーソナルコンピュータやワークステーションにおけるルック・アップ・テーブル(LUT)は目的に応じて任意の色を選べるが、同時に表示可能な色の数はLUTの大きさによって制限される。このため、同時発色数が極めて多い自然画像などを限られた色数で効率よく表示するための代表色選択法が種々提案されている。これらの手法の一つであるボピュラリティー・アルゴリズムは本質的にクラスター分析手法のISODATA法に類似している。さらに、亀井らは色彩画像の領域分割にISODATA法とBezdek,Dunnらにより提唱されたFCM(fuzzy c-means)法を用いた場合を比較、評価し、FCM法の方がISODATA法よりも初期値への依存性が少ない点で優れているとの結論を得た.しかし、これらの手法を用いた場合、色が滑らかに変化している領域では、原画像に存在しない筈の偽輪郭が生じ、量子化誤差が明瞭に現れることがある。この偽輪郭を緩和するための手法として、岩井は明度成分の再現性を重視した代表色選択法を提案した。また、著者らはパーソナルコンピュータのディスプレイ上での簡単な等色実験により、L・a・b・均等色空間における色の弁別閾に関して、明度成分(L・)と色度成分(a・,b・)でスケールがかなり異なるとの知見を得た。本研究では、色彩画像のより知覚的に好ましい限定色表示を行う目的で、明度成分と色度成分を測度が異なる特徴として捉え、それぞれ段階的にクラスタリングを行うことにより代表色を選択する手法を提案する。ここで、クラスタリングには上記理由によりFCM法を用いる。また、この手法を色彩画像に適用した結果を示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-09-04

明度および色度の段階的クラスタリングによる色彩画像の限定色表示

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