ロード命令の先行実行とその評価
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概要
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近年、プロセッサの実行速度向上に比べて、メモリ系の速度向上が低い傾向が続いている。このため、実行時間に占めるメモリ系のオーバーヘッドの割合が増加し ており、高速実行のためにメモリ系のオーバーヘッドを減らすことが、より重要になっている。メモリ系のオーバーヘッドを減少させる方法の一つとして、ロード命令の先行実行がある。この方法では、ハードウエアにロード命令の完了を待たずに他の命 令の実行ができるnon-blocking loadを組み込む。そして、ロード命令をそのデータを使用する命令よりも十分早く発行するように命令コードをスケジューリングする。これにより、たとえキャッシュ・ミスが起きてもデータがロードされるまでの間、他の命令の実行が行なわれ、メモリ系のオーバーヘッドを隠すことができる。この方法においては、ロード命令をそのデータを使用する命令(データ使用命令と呼ぶ。)よりどのくらい早くスケジューリングできるか、つまり、これら2つの命令の距離をどのくらい離すことができるかで、効果が決定される。我々は、プログラムの意味を変えない範囲で、ロード命令とデータ使用命令とを指定の距離だけ離すように命令スケジューリングを行なうコンパイラを作成した。このコンパイラにより、整数系プログラムにおけるロード命令とデータ使用命令との距離を測定し、この方法のメモリ系オーバーヘッド削減の効果を評価した。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-03-07
著者
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