実時間GCの実現方式と評価
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概要
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人工知能用言語に代表される,領域管理をガーベジ・コレクション(GC)で行うシステムで,実時間処理を行わせる場合,GCによる処理の長時間の中断をさける必要がある.従来から知られているコピー法に基づく実時間GC(Bakerの方式)は,実時間化に伴うデータアクセス時のオーバヘッドが大きく,全体の実行時間が著しく長くなる欠点があった.本論文では,実行効率をそれほど落とさないように改良したコピー法に基づく実時間GCの方式を提案し,それを試作し,評価した結果を述べる.本方式では,データアクセス時における実時間化のオーバヘッドを削減することにより,実行効率を高めることを目標にした.これは,データ構造を変更することなく,データアクセス時におけるポインタの状態の判定にそのポインタの存在するアドレスを利用することにより達成されている.この方式をLisp言語処理系上にインプリメントし,従来のBakerの方式および一括型コピー法GCとの性能比較を行った.その結果,Bakerの方式に比べ実時間化のオーバヘッドは,約50%以下になっており,一括型コピー法を採用したLisp言語処理系の実行時間と比べても,約1.5倍程度に抑えられている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-05-15
著者
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