新簡易機械集材法(岩大方式)(V) : 本集材法による間伐集材作業試験

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近時労力の不足と労賃高騰に対処するため, 間伐集材作業を機械化し, 経営の合理化につとめたいとする要請が高まりつつあるが, 素材生産部門に比べて間伐材の集材技術にはかなり立ちおくれが目だち, とくに地形上林内トラクタ使用の困難な場合の多いわが国では, 簡易架線による間伐集材技術を開発しておく必要性が痛感される。本集材法が, 架線撤去容易な機動的簡易方式であるばかりでなく, 搬器固定1本吊360°横取り自由という特性を具備しているところから, それが間伐ならびに択伐集材に適する方式であることは論をまたないが, 本法を間伐作業に応用する際, 一般に間伐作業時に起こり易い問題-立木による運転手の視界しゃ断という悪条件を克服して, 常に運転を容易に可能ならしめる風力ガバナの役割を重視しないわけにはいかない(ただし, この場合はホールラインの巻き取り速度を, 鼻上げつりあい条件速度よりも, いくぶん早めて運転する)。この試験は, 1970年7月, 岩手大学滝沢演習林アカマツ天然更新地内で行なわれたものである。この試験を通じ, 一般に機械作業にしばしば連想されがちな筋(列)状, 帯状などの好ましくない物理的伐採方式は, 全く余儀なくされることなく, 造林撫育経営上, 当該林分にとって理想とする"単木的間伐"の集材をそのまま完全に実施できたばかりでなく, 集材面でも全幹方式の採用により, かなり高能率を発揮することが認められた。また, 機械作業に伴う残存立木に対する被害損傷も, 詳細な調査の結果, 軽微であることが知れた。なお, 将来のために, 被害最小にして集材技術上さらに有利な方法も, この試験を通じてあわせて検討することができた。
日本森林学会の論文
1971-09-25

新簡易機械集材法(岩大方式)(V) : 本集材法による間伐集材作業試験

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