林業用トラクタのけん引性能に関する研究(I) : クローラトラクタけん引力の推定
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概要
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かぎられた条件のもとでのトラクタけん引力発生機構の研究は, 農業機械および土木機械関係等の分野でかなり古くから行なわれているが, これを複雑な地表条件を有する林地に直接適用することはかなり問題が多い。そこで, ここではまず模型トラックシューを使い室内で基礎実験を行ない, 林地におけるけん引力発生機構の解明を試みた。さらに, この結果から実車けん引力の推定を行ないその適合性を実車試験により確かめた。1)トラックシューグローサのピッチがグローサ高さに比して小さい場合((14)式で表わされる値以下)には, 粘着けん引力(推進力)はトラックシューのグローサによる土のせん断抵抗と考えられ, 近似的に(8)式または傾斜がある場合には(16)式で表わされる。グローサピッチがグローサ高さに比して大きくなると, 粘着けん引力は減少してシューと土の滑り摩擦に近くなる(図-6)。2)地表に腐植質物がある場合の粘着けん引力は接地圧が小さければ(室内実験では0.2〜0.3kg/cm^2以下)腐植質物がない場合より小さいが, 逆に接地圧が大きければ大きくなる(図-9)。しかし実車試験では接地圧を変化させて行なうことができなかったので, この関係を明らかにすることはできなかった。3)実車試験の結果, 粘着けん引力および走行抵抗から求められたけん引力の推定値がほぼ実測値と合うことが確かめられた。
- 日本森林学会の論文
- 1971-12-25
著者
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