林業用トラクタの振動(II) : ホイールトラクタ

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集材専用ホイールトラクタ(総重量6t)が, 主に平担な林地ならびに砂利道を走行する場合の運転手座席上と座席直下の車体に生じる振動加速度を測定した。その結果を解析することにより, この種トラクタに生じる振動の基礎的な性質を明らかにした。すなわち1)運転座席直下のトラクタ車体および運転手座席上に生じる振動の加速度は, どちらも前回測定した林業用クロ-ラトラクタよりも小さく, 主振動の加速度平均振幅は約1/2以下である。加速度の平均振幅は, 砂利道を走行する方が林地を走行する場合よりも20〜40%大きく, その大きさの順序は上下方向>左右方向>前後方向である。(図-2〜4)2)運転手座席直下の車体に生じる振動の主なものは, 64〜65Hzのエンジン系統の不平衡力によるビビリ振動と, 振動数がトラクタの走行速度に無関係な約3Hz(上下方向)または1.5Hz(左右および前後方向)の自励振動からなっている。運転手座席上の振動は, 約3Hz(垂直方向)または1.5Hz(水平方向)の自動振動のみである。(図-6)3)座席の防振効果としては, 各方向ともトラクタの車体に現われるビビリ振動についてはその効果が認められたが, 自励振動についてはその効果が認められなかった。特に, 不整地を速い速度で走行する場合, この自励振動が非常に大きくなり, その防振対策が必要と思われる。
日本森林学会の論文
1973-06-25

林業用トラクタの振動(II) : ホイールトラクタ

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