トラクタ集材が伐採跡地に及ぼす影響(I) : トラクタ走行による土壌の締め固めとカラマツ植栽苗木の生長

概要

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緩傾斜地のトラクタ走行による土壌の締め固めと植栽苗木の生長阻害の関係を明らかにするために, 集材直後の跡地および集材後2年を経過したカラマツ造林地の2個所で土壌の物理性と苗木の生長量を調査した。1.トラクタの走行によって締め固められる土壌の硬度は深さ10〜15cmで最大になり, トラクタ走行回数の増加に対して対数関数的に増大する。また, ホイールトラクタとクローラトラクタを比較すると, 深さ10〜15cmでは走行回数が80〜100回を境にしてこれより多くなるとクローラトラクタのほうが大きくなる。しかし, 土壌孔隙量(深さ5〜10cm)は土壌硬度が大きくなればクローラトラクタのほうが大きくなる傾向がある。2.カラマツ苗木の植栽年度における生長は土壌孔隙量ときわめて高い相関がみられたが, 裸地化したトラクタ道では土壌孔隙量とは無関係に生長は悪かった。3.植栽苗木の樹高生長率が無走行地の半分となるトラクタ走行回数は, ホイールトラクタで約60回, クローラトラクタで約500回と推定された。
日本森林学会の論文
1982-04-25