林業用トラクタの振動(I) : クローラトラクタ

概要

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林業で用いられているクローラトラクタの防振対策上必要な基礎資料を収得する目的で, 現用されている6〜7t級硬式および半硬式クローラトラクタ走行時の振動加速度を測定した。その結果を解析することにより, この種トラクタに生じる振動の基礎的性質を明らかにすることができた。すなわち1)この種トラクタの振動は一般車両に比べて大きく, 特にトラクタ単体が砂利敷道などの堅い地表面を比較的速い速度で走行する場合には, 振動加速度平均振幅が0.5gに達するような相当大きい振動が生じる(図-7〜9)。しかし, 林地で荷重をけん引走行する場合には, 走行速度が遅いこともあって, 重直・水平方向の振動加速度平均振幅は0.1g以下(硬式けん架方式の場合)であり, 乗心地の点からはあまり問題にはならない(図-11)。2)トラクタ車体の主な振動は, 30ないし60Hz程度のエンジン系統部分の不平衡力によるビビリ振動と, 3〜20Hz程度の履帯駆動スプロケットのトラックリンクに対する衝撃による強制振動の2つである。運転手座席には, 3〜20Hzの履帯駆動スプロケットによる振動しか現われない(図-13,14)。3)座席の吸振効果は, 上下・前後方向では最大40%程度の振動加速度平均振幅の減少が認められたが, 左右方向においてはこれらとは逆に最大60%程度の振動加速度平均振幅の増加が認められ, 座席の構造上の問題として指摘される(図-7〜9)。
1972-12-25

林業用トラクタの振動(I) : クローラトラクタ

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