観賞用Alliumから分離されたleek yellow stripe virus
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概要
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1986年に岡山県倉敷市玉島で, 葉に明瞭なモザイク斑と灰白色のえそ斑とを示す観賞用のアリウム属のAllium ampeloprasumからpotyvirusが分離された。本ウイルスはモモアカアブラムシおよびワタアブラムシで非永続的に伝搬された。汁液接種が容易で, 供試した13科46種の植物のうちA.giganteumに全身感染して軽いモザイク症状を生じ, Chenopodium quinoaとC.amaranticolorとに局部感染, またホウレンソウに無病徴全身感染, センニチコウに無病徴局部感染したが, ネギとタマネギには感染しなかった。不活化温度は50〜55C(10分), 希釈限界は10^<-3>〜10^<-4>, 保存期限は4〜8日であった。DN法観察によると, 本ウィルスは多くのpotyvirusよりやや長い820nmの屈曲したひも状であった。0.5Mリン酸緩衝液で磨砕後, クロロホルム-四塩化炭素で清澄化, PEGでの濃縮, クッション遠心分離およびシヨ糖密度勾配遠心分離を採用することで純化を行った。SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動による外被タンパク質の分析では分子量36,500ダルトンの1本のバンドが認められた。感染植物葉の超薄切片像には, 細胞質内に散在または集塊するウイルス粒子とpinwheel, scroll, short curved laminated aggregateなどの細胞質内封入体が多数認められた。免疫電顕法によると, 本ウイルスはbean yellow mosaic virus, clover yellow vein virus, freesia mosaic virus, iris mild mosaic virus, iris severe mosaic virus, potato virus Y, narcissus yellow streak virus, onion yellow dwarf virus, trunip mosaic virusの各抗血清とは反応せず, オランダのD.Z.Maat氏より分譲されたleek yellow stripe virus抗血清とのみ反応した。以上の結果から, 本ウイルスはleek yellow stripe virus (LYSV)と同定された。
- 1989-04-25
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