電子文書の長期保管のための枠組 : POT

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現在の電子情報の管理のあり方は, 即時的な情報の共有については研究が比較的進んでおり運用上の実績もあるが, 長期的な保存に関しては, 様々な問題を抱えたままである. 文書自体を支える媒体の寿命が不十分であることもさることながら, 文書に付随する管理状態,恒久的な指示方法, 管理者の情報などの整備も不十分である. 本論文では, これらの問題を解決するために, POT (Persistent On-line Text)文書モデル及びPOTアーキテクチャを提案する. POT文書モデルは, 百年単位で使用できることと後世の検証に耐えることを目的とした, 文書の公開・廃棄制御・履歴・認証・解釈情報のモデルであり, POTアーキテクチャは, 各種の技術的革新の要素を漸進的に取り込むことを可能とする超最期電子文書管理システムのための層化アーキテクチャである. これらのモデルは, 管理情報もまた一般の文書と同様に扱うことによってメタデータの寿命を保証し, また, ネットワークを通じて情報を共有することによってスタンドアロンのシステムよりも高い信頼性をシステムに与える. この文書モデルとアーキテクチャの妥当性を検証するために, 保管文書に対して想定される操作の机上シミュレーションを行った. さらに, 実装の可能性について, 現在利用できる技術的要素のサーベイを行なった.
一般社団法人情報処理学会の論文
1999-02-15

電子文書の長期保管のための枠組 : POT

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