データ通信システムにおける3つの伝送方式の評価
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概要
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データ伝送では,通信回線が受ける雑音や歪みなどによって,ある一定の確率でデータの誤りが発生する.このため,高品質のデータを必要とする通信システムでは,誤りを自動的に検出し訂正する誤り制御が行われており,高信頼化の視点から諸種の方法が考案されている.これらの誤り制御方策は,伝送系に冗長性をもたせる方式と伝送するデータそのものに冗長性をもたせる2つの方式に大別される.ここでは,前者の方式に関して3つのモデルを設定し,単位データあたりの誤り発生確率を同一としたとき,経済的・信頼性的観点からの考察を行う.すなわち,(i)単位データを連送する方式,(ii)連送した2個の単位データが不一致の場合,さらにもう1個の単位データを送信する方式,(iii)単位データを3運送する方式に対して,単位データの送信が成功するまでの期待費用を求め,3つのモデルの比較と検討を行う.さらに,実際的な観点から,ビット誤り率と単位データ長を与えたとき,3つのモデル間の経済的優位性を示す条件を解析的に求め,最後に数値例を示して種々の考察を行う.その結果,通常のデータ長における期待費用の経済的比較では,(ii)の方式が最も有利であること等が示される.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-12-15
著者
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