三つの誤り確率をもつデータ伝送システムのARQ方策
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概要
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一般にデータ伝送においては,通信回線が受ける瞬断・雑音・ひずみなどの妨害によって,データ誤りの発生は避けることができない.このため,データの高品質化のための誤り制御は不可欠であり,高信頼化の視点から諸種の方法が考案されている.特にARQ方式は,誤り制御が比較的簡単であることから2地点間データ伝送システムに数多く用いられている.ここでは,通常伝送系にランダムなデータ誤り現象が生じ得ることを前提とし,それが間欠障害の生起とその潜在期間によって大きく助長される伝送モデルを考察する.すなわち,伝送系が正常・一時障害・固定障害の3状態をもち,それぞれの状態において,異なる確率で単位データの誤りが発生するARQモデルを設定する.誤りが発生した場合,最大N-1回の再送を実施し,すべての再送に失敗したならば,一定時間後に再び単位データの送信を初期状態からやり直すものとする.そのとき,確率の母関数を用いて,単位データの送信が成功するまでの平均時間を求める.更に,それを最小にする最適再送回数N^*を解析的に導出し,数値例を示して種々議論する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-07-25
著者
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