差分バックアップ方式における最適フルバックアップ間隔
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概要
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データベースシステムにおける媒体障害への基本的な復旧対策は, 回復の対象となるデータの全コピー, すなわち, フルバックアップコピーを定期的に取得することで実現される.しかし, 大容量のデータベースでは, フルバックアップに要するデータ転送オーバヘッドが膨大な量になるため, その取得方法や周期をコストと信頼性の両面から検討する必要がある.現在では, 従来のフルバックアップ方式に代えて, 差分バックアップ方式が多く採用されるようになった.これは, 一定周期で訪れるバックアップ機会のうち, あらかじめ決められたバックアップ回数ごとにフルバックアップを実施し, その他のバックアップ機会では, オーバヘッドの小さい差分バックアップを実施するバックアップ方式である.本研究では, この差分バックアップ方式に着目し, フルバックアップに費やすコストと累積型差分バックアップに費やすコストとのトレードオフによる最適化問題について考察する.通常状態での総期待バックアップ運用コストを評価するための確率モデルを提案し, バックアップ1回当りの期待運用コストを最小にする最適フルバックアップ間隔について解析的または数値的に論ずる.その結果, 1回の差分バックアップ生成オーバヘッドがフルバックアップのそれを超えるまでの平均差分バックアップ回数が本モデルの主要パラメータとなり, 実用上, これを決定するだけで期待運用コストや最適フルバックアップ間隔を容易に評価できることなどが示される.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-10-25
著者
-
中川 覃夫
愛知工業大学
-
中村 正治
(株)名古屋銀行
-
福本 聡
愛知工業大学情報通信工学科
-
中川 〓夫
愛知工業大学経営工学科
-
中川 〓夫
愛知工業大学 経営工学科
-
福本 聡
愛知工業大学 情報通信工学科
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