(80)ベンズイミダゾール系薬剤中等度耐性Colletotrichum gloeosporioidesによるナシ炭疽病の発生
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概要
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1887年に高知県でナシ炭疽病が大発生し,収穫前に落葉する被害が相次いだため,防除薬剤として使用されてきたベンズイミダゾール系薬剤に対する耐性菌発生が疑われた.そこで,採集した47菌株の単胞子分離菌株を用い,菌糸生育に対するベノミルの最低阻止濃度を調査したところ,0.39ppmと800ppmをピークとする2峰性を示し,前者が感性菌,後者が耐性菌と考えられた.耐性菌はチオファネートメチルにも交差耐性を示した.しかし,ジエトフェンカルブに対して負相関交差耐性を示さなかったことから,C.acutatumの可能性も考えられたが,PCRの結果や形態等の特徴から,C.gloeosporioidesと同定された.本耐性菌に対するベノミルのEC_<50>を調査したところ,15ppm前後で,感性菌と高度耐性菌の中間的な値を示したことから,中等度耐性菌と考えられた.また,β-チューブリン遺伝子のシークエンス解析の結果,コドン200に相当する塩基がTTCからTACに変異し,推定アミノ酸もフェニルアラニンからチロシンに置換していた.本耐性菌によって,ベノミルの防除効果は低下した.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
-
川田 洋一
高知中央農振セ嶺北農改
-
佐藤 豊三
生物研
-
佐藤 豊三
農業生物資源研究所
-
矢野 和孝
高知農技セ
-
石井 英夫
農環研
-
佐藤 豊三
生物研ジーンバンク
-
石井 英夫
農業環境技術研究所
-
川田 洋一
高知農技セ
-
深谷 雅子
秋田果樹試
-
深谷 雅子
秋田果試
-
石井 英夫
農業環境技術研
-
佐藤 豊三
農業生物資源研
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