インドメサシン投与家兎の排卵とcollagenolytic enzymes活性へのPGF_2α の効果
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概要
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排卵現象におけるPGF_<2α>の役割およびそのcollagenolytic enzymesとの関係を明らかにするために,indomethacin(IM)による排卵抑制効果が外因性PGF_<2α>により回復されるか香否かを家兎を用いてin vivoで検討するとともに,collagenolytic enzymesの一つであるBANA hydrolase活性およびneutral collagenase activityとしてDNP peptidase活性を,排卵誘発群,IMにょる排卵抑制群,IMによる排卵抑制をPGF_<2α>を用いて解消させた排卵回復群の3群において,排卵時刻を中心にして経時的に測定し,それぞれを比較検討した.家兎では比較的少量のIM投与によつて排卵抑制が可能であり,しかもこの排卵抑制は,PGF_<2α>単独でも外因性に持続静注法により多量に投与することにより回復された.この系を用いて,BANA hydrolase活性,およびDNP peptidase活性とPGF_<2α>の関係を検討したところ,まず少量のIMでPGsの合成を抑制すると,これらの酵素活性の排卵前4〜2時間目の有意の上昇がみられなくなることが確認された.これにさらにPGF_<2α>を加えて排卵を回復させると,これらの酵素活性の排卵前上昇が再び出現した.従つて,BANA hydrolaseおよびDNP peptidaseで代表されるcollagenolytic enzymes活性の排卵前上昇が排卵に不可欠な現象であり,さらに,PGF_<2α>がこれらの酵素活性の排卵前上昇という現象を調節していることが明らかになつた.現在卵胞破裂機構のmediatorとして不可欠とされているPGsは,卵胞壁中のBANA hydrolaseおよびDNP peptidaseによつて示されるcollagenolytic enzymes活性を増加させることにより排卵機構の一面に貢献していると考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-01-01
著者
-
森 崇英
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
岡村 均
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
福本 学
京都大学医学部病態生物医学
-
福本 学
東北大学加齢医学研究所
-
福本 学
癌研究会癌研究所 病理
-
翠川 修
京都大学医学部病理学教室
-
福本 学
東北大学加齢研究所
-
福本 学
東北大学加齢医学研究所臓器病態研究部門
-
姫野 憲雄
彦根市立病院産婦人科
-
川村 直行
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
姫野 憲雄
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
川村 直行
京都大学医学部婦人化学産科学教室
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