子宮頚癌患者リンパ球のPHA芽球化におよぼすヒト臍帯血漿の影響について
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概要
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子宮頚癌患者のin vitroの免疫機能を検討するに際して,正常人胸腺由来リンパ球の芽球化を抑制するとされているヒト臍帯血漿に着眼し,担癌体および正常人リンパ球のPHA芽球化を担癌体自己血漿,正常人血漿およびヒト臍帯血漿の各々を添加した系列において測定し,芽球化率を自己血漿添加時を100として%において比較検討した.1)正常婦人リンパ球のPHA芽球化におよぼす子宮頚癌各期血漿の影響は,子宮頚癌0期 Mean 94.2% (S.E. 4.2),I期 Mean 95.5% (S.E. 2.9),II期 Mean 85.1% (S.E. 4.8),III期以降 Mean 68.7%(S.E. 6.2)であった.2)正常婦人リンパ球のPHA芽球化におよぼす臍帯血漿の影響は, Mean 82.6% (S.E. 4.8)であった.3)子宮頚癌各期リンパ球のPHA芽球化におよぼす正常人血漿の影響は,子宮頚癌0期 Mean 100.8% (S.E. 5.2),I期 Mean 101.8% (S.E. 11.0),II期 Mean 132.5% (S.E. 10.2),III期以降ではMean132.5% (S.E. 7.5)であった.4)子宮頚癌各期リンパ球のPHA芽球化におよぼす濟帯血漿の影響は,0期 Mean 82.2%(S.E. 3.2),I期 Mean 82.8% (S.E. 12.2),II期 Mean 131.6% (S.E. 5.0),III期以降では Mean 156.3% (S.E. 9.9)であった.以上から,子宮頚癌患者の血漿中には,II期以降よりPHA芽球化を抑制する因子が増加することが考えられた.また臍帯血漿によって,子宮頚癌患者リンパ球の芽球化は,0期およびI期においては,正常人リンパ球と同様に抑制をうけたが,II期以降では逆に芽球化の好転がみられ,濟帯血漿中に進行した子宮頚癌患者のリンパ球のPHA芽球化を好転させる因子が存在している可能性を示唆した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-12-01
著者
-
藤井 信吾
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
森 崇英
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
小林 八郎
国立大阪病院婦人科
-
西村 敏雄
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
小林 八郎
北野病院
-
中島 襄
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
小林 八郎
京都大学医学部婦人科学産科学教室
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