各種ヒト婦人***癌由来の培養細胞株を用いたマーカー物質の細胞レベルにおける検索
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概要
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ヒト卵巣奇形癌由来の細胞株HOTC3を樹立し,すでに樹立されている他のヒト婦人***癌由来の細胞株,卵巣腺癌由来HOC-21,子宮内膜腺癌由来HEC-1B,子宮頚部扁平上皮癌由来SKG-1,および絨毛癌由来BeWoと種々のマーカー物質について細胞レベルでの比較検討を行ない,以下の結果をえた.1)細胞内乳酸脱水素酵素(LDH)活性はBeWo>HOC-21>HOTC3の順で高値を示し,M型へのアイソザイム・パターン偏倚を認めたが,HEC-1B,SKG-1では酵素活性は検出できなかった.2)細胞内alkaline phosphatase(A1P)活性はBeWo>SKG-1の順で検出され,いづれも耐熱性胎盤型のアイソザイム・パターンを示した.3)HCG-βはBeWo(4.0mg/mg protein)ならびにHOTC3(1.7mg/mg protein)の細胞内に存在し,BeWoでは培養液中への放出を認めたが,HOTC3では培養液中のHCG-βは陰性であった.一方,HOC-21,HEC-1B,SKG-1の細胞内からHCG-βは検出できたかった.4)α-Fetoprotein(AFP)はいづれの細胞株からも検出できなかった.5)HOC-21,HEC-1B,SKG-1の細胞内にplasminogen activatorが検出されたが,HOTC3,BeWoでは検出できなかった.以上各種ヒト婦人***癌由来の培養細胞株から検出されるマーカー物質は,各種腫瘍細胞の細胞生物学的機能の特異性を反映しているとともに,血清中へのマーカー物質の放出は腫瘍マーカーとして臨床診断上極めて重要な情報を提供する。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-01-01
著者
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