ヒト子宮筋培養細胞におけるoxytocin receptor発現に及ぼす各種ステロイドホルモンの影響

概要

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ozytocin(OT)による子宮筋収縮機構の解明は分娩発来のメカニズムを解明するうえで重要なことと考えられる. しかしながら, その作用制御に係わるoxytocin receptor(OTR)の発現調節に関しては, 各種ステロイドホルモンの関与が示唆されているものの統一的な見解は, 得られていない. 今回, 我々はヒト子宮筋培養細胞を用い, 各種ステロイドホルモンがOTR発現にいかなる影響を及ぼすかを検討した. 良性疾患にて摘出した子宮筋より, 子宮筋細胞を培養しconfluentに達した後, 無血清培地に各種濃度のステロイドホルモンを添加し, 24〜72時間培養した. 引き続き, 培養細胞よりplasma membraneを調整し, ^<125>I-OTを用い, Scatchard analysisにてOTRの発現量を検討した. その結果, 1. estradiolによるOTR発現量は, control, 10^<-8>M, 10^<-7>M, の順に, 19.85, 28.12, 36.20(pM/mg protein)と濃度依存性に増加した. 2. estradiol(10^<-7>M)におけるOTR発現量は24, 48, 72時間の順に17.85, 23.72, 36.20(pM/mg protein)と時間依存性に増加した. 3. DHAS(10^<-5>M)はestradiol(10^<-7>M)によるOTR発現量にほとんど影響を及ぼさなかった. また, cortisol(10^<-5>M)はOTR発現量を減少させ親和性を高める傾向が認められた. 4. estradiol(10^<-7>M)によるOTR発現量はprogesteroneにより時間, 濃度依存性に抑制され, 50%OTR発現量が抑制されるprogesterone濃度は2.7×10^<-6>であった(E/P ratio=0.037). ヒト子宮筋細胞膜におけるOTR発現はestradiolにより時間, 濃度依存性に増加し, 一方, progesteroneはこれを濃度依存性に抑制することを解明した. この成績は妊娠経過におけるE/P ratioの変動が子宮筋におけるOTR発現量を調節することにより子宮筋収縮機構を抑制していることを示唆するものである.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1993-09-01

ヒト子宮筋培養細胞におけるoxytocin receptor発現に及ぼす各種ステロイドホルモンの影響

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