胎盤微絨毛膜小胞を用いた抗生物質の胎盤輸送機構の解析 (fosfomycinの胎盤輸送について)

概要

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概要満期人胎盤より分離した微絨毛膜小胎を用いて、急速濾過法によつてfosfomycinの胎盤輸送機構について検討を加え母体投与による胎児への移行性を評価した。 1。fosfomycmの微絨毛膜小胎への取り込みは、浸透圧感受性を示したことより、その取り込みは膜小胞内への実際の輸送をあらわしていることが明らかとなつた。 2。徴絨毛膜小胞内へのfosfomycmの取り込みはNa^+の電気化学濃度勾配には依存せず、また、膜電位ポテンシャルにも依存しなかつた。 3。微絨毛膜小胎内へのfosfomycmの取り込み初速度は、fosfomycmの濃度に依存した飽和kmetlcsを示さず、fosfomycmの濃度の増加とともに、その取り込み初速度は直線的に増加した。すなわち、fosfomycmは微絨毛膜小胎内へ単純拡散によつて輸送されていることが示された。 4。L-alanine、L-valine、L-lysme、無機リン、D・glucoseは徴絨毛膜小胎内へのfosfomycmの取り込みを阻害しなかつた。一方、逆にfosfomycmeは、これらの物質の小胞内への取り込みに影響を与えなかつた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-10-01